俺のお姫様
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珍しく屯所の廊下を走る土方十四郎
見廻りの最中、近藤から電話で呼び戻されて部屋に向かっている
電話口での近藤は随分と慌てた様子で、何か厄介な問題が持ち込まれたんだろうと察しはついた
「近藤さん、入るぜ」
失礼とは思ったが急いでいる身だという理由で、言葉と同時に襖をあけた
「おぉトシ、ようやく来たか。実はな「とおちろう遅いぞ!」
近藤の声を遮るように邪魔をしたのは聞き覚えのない甲高く幼い声だった
近藤の胡座の上にちょこんと座り、バンバンとテーブルを叩いて自分をアピールしている
年の頃は5、6歳か
頭の高い位置で髪を結わえた女の子がそこに座っていた
「とおちろう!おかえりなさい!」
立ち上がって素早く土方の前に行くと、足に抱き付いて喜びを表現
全く状況が飲み込めない土方は、足に絡む少女をただただ見つめていた
「さっすが土方さん。女を手なずけるのもお手の物で」
部屋に沖田が居ることすら気付かなかった
足に絡まる少女を気にしながら近藤に説明を求める
「え、トシ。お前この子のこと知らないの?手紙に『土方さんに全てお任せします』って書いてたんだけど」
経緯はこうだ
屯所に手紙を持った女の子が一人でやってきた
手紙には今日1日この子を預かって欲しいというお願いだけ
土方に言えばわかるとのこと
「いや、全然知らねぇけど!なんだよその手紙!誰なんだよコイツは!」
「コイツってゆーなぁ!あたちのことは姫って呼んで!」
むぎゅ~っと抱き付かれて話の腰を折られる
わけがわからぬまま、少女と近藤の顔を交互に見た
「土方さぁん、ちゃんと思い出して下せェよ?コイツを5歳と仮定して………大体6年前くらいに、ヤラかしたってことないんでィ?若かったんだし」
「ヤラかしたってなんだよ!変な言いがかりつけんじゃねぇ!俺はそういうところは慎重なんだよ!それに今だって俺ぁ現役だぞ!?」
「え!ウソ!トシ現役なの!?そういうコトとはすっかり無縁だと思ってたのに………裏切り者ォオオ!!」
「げんえきげんえきー!」
拳を突き上げて叫ぶ少女の口を優しく塞ぐ
視線でうるさいと告げると涙目になられた
「とおちろうが怒ったぁ………ふぇえっ……」
「ち、違っ!!オイ泣くなって!だ、誰か助けて!」
「助けてったって、一番土方さんになついてるじゃねェですか。そもそも土方さん宛てなんだから、ソイツ」
「だから俺はこんな子知ら「とおちろうだっこー!!」
隊服をグイグイ引っ張られて、よじ登ろうとしてくる
根負けして少女を抱えると、近藤と沖田は大爆笑した
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