欲求
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「……あのね、ヅラ。私別に取って食おうとしてるわけじゃないからね?ただ……恋人同士なら…したって…普通じゃない?…ちゅうくらいさ……」
ううむと唸って口を開く
「……し、しかしな芽衣…こここういう事は…そのっ秘め事なわけだからっ…そ、そうだな……丑三つ時に行うのが一番……「眠いわッッ!」
違うだろヅラさんよ
ナニしたいって言ってるわけじゃないんだから
一秒あれば済む事でしょうが
利かせるつもりのない睨みに観念したのか、ヅラが壁にもたれ掛かる
「………もう……好きにしろ!どうなっても知らんぞ」
渋々だがオッケーが出て自然と表情が緩む
「じゃ、目ェ瞑って……」
言われた通りに瞼を閉じて姿勢を正してみるも、頬が赤いのは隠せない
ふふ……可愛い奴
「じゃ、失礼して……」
いただきます、なんて心で思ったのは秘密
…………ちゅっ
そっと唇を離して終了を告げる
「ヅラ、終わったよ?ごめんね、無理言って」
笑いながらヅラの顔を覗き込んだら、あからさまに照れていた
確かにじれったい所もあるけど、こんなうぶな男もそうはいまい
キスとそんなヅラに満足して、テレビでも観ようと背を向けた
「………で、どうだったのだ……?」
リモコンを構えた瞬間、落としてしまった
まさかの感想求めに、恐る恐る振り返る
「どど、どうだった……って?」
「うむ……あれだけしたがっていたのだ、感想くらい聞いてもいいだろう」
こんのクソ真面目がァァァ!!!
今度は私が赤面した
「や、あの……よよよかったんじゃ、ない……かなっ?丁度いい柔らかさで……」
って私、何言ってんだ
それを真剣に聞いてるヅラもどうかと思うけど
「機会があれば、また味わってみたいと思ったか?」
「あ、はい……それはもちろんで……って、えェんんッッ!?」
しっかり答える前に、口を塞がれる
今度は一秒なんかじゃ済まなかった
死ぬかと思うくらい、呼吸を奪われた
「ん、んん!っぷはァ!ちょっ、ヅラ!!何、いきなりッッ!」
ビックリしたのと恥ずかしいのとで、おもいっきりヅラを剥がす
ヅラはというと、いやらしく自分の唇を舐めていた
「芽衣はしていいのに、俺は駄目なのか?」
「や……そうじゃないけどっ……違っ、やり方がっ!!」
今さっきの出来事を思い出しただけで、顔から火が出そうになる
「悪いが芽衣、そっちが先に仕掛けて来たのだぞ?言っただろ、男は皆オオカミだって」
いやいやいやいや!!
女って言った!絶対女って言ったからァァァ!!
反論しようにも、すでにヅラの懐に顔を埋められて言葉が出ない
「………馬鹿ヅラっ」
これだけ言うと頭にキスが降ってきた
「だから言ったんだ。こういう事は丑三つ時に行うのが一番いいと」
「私、最後までする気なんてこれっぽっちも無かったんだからねッッ!!」
「ん?最後までとはなんの事だ。芽衣、詳しく説明してくれないか」
ムキーッ、と暴れてみたが抱えられていては程度は知れている
甘い戯れ合いの後ろ、玄関の戸が少し大きくカタンと鳴ったのに二人が気付いたかはわからない
『二時間後に戻ります』
優しい友のプラカードが立て掛けられていた
.
終
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