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その夜早速電話が鳴った
画面を見れば『鬼の副長』と出ている
今朝注意されたばかりの芽衣は、待ってましたとばかりに電話に出た
「はいはーい?副長、私です!芽衣ですよ!!」
「たりめーだろ!お前にかけてんだから!……ってちゃんと出れるじゃねぇか」
「へへーん!そりゃあ私だってさすがに今日くらいはちゃんとしますよ!」
「これからずっとだバカヤロウ!」
呆れながらも芽衣の進歩に少し気を良くした土方は電話越しに目を細める
普段何故か沖田の言うことしか聞かない芽衣がついに自分に従った
得意気になって知らぬ間に頬が緩んでいた
「ところで副長、何か用があったんじゃないですか?」
「え?あ、あぁ……いや、今日のは……アレ、だ。ただちゃんと電話が通じるか……確かめてみただけっていうか……」
「な~んだ!そんな事ですか!ちゃんと通じるに決まってるじゃないですかぁ!もう、副長の心配屋・さ・んん!!」
芽衣が目の前に居るわけでもないのに照れている自分に気付く
得意の怒鳴りでなんとかごまかした
「阿呆か!!お前の事なんざそう簡単に信用出来るか!!総悟に何吹き込まれるかわかったもんじゃねぇ!!いいか!?もう二度と電話に出ねぇなんて真似するなよ!わかったな!?」
一人声を荒げてまくし立てた
「わかってますよ!副長命令ですもんね!」
「常識だ、んなもん!!わかってんならさっさと寝て遅刻しないようにしやがれ!!」
「寝ろって副長が電話してきたから……」
最後まで聞き取らないで電話を切った
疲れる
全くもって疲れる
切ったケータイを握りしめてため息交じりに俯いた
寄り掛かっていたパトカーから離れて煙草を取り出す
なんだか今日の煙草は糞苦い
風に流れる副流煙
その行き先に芽衣の家が霞んだ
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