隠し事
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裸足で砂利を踏み零に近付く
屈んで目線を同じくすると首のガーゼを引っぺがした
「――!!」
案の定と言うべきか、そこには内出血により出来た紫色の痣が浮かんでいた
どんなに素早く隠しても一度見てしまったそれは記憶から消えない
簡単には消せない
「……近藤さん……なのか?稽古でドジった跡じゃなかったのか……?」
無言なのは認めた証拠
そのいたたまれない空気に怒りが混ざり合う
「お前自分の身体をなんだと思ってんだ!!記憶がねぇだ!?だったらなんでもアリだって言うのか!ふざけんじゃねぇ!!」
女に本気で怒鳴ったのは初めてだったかもしれない
それがまさか零だなんて
小刻みに肩を震わせながらも零は口を開いた
「身体だなんてそんな大層な話じゃないんです……いつもこれだけなんです、本当に。意識はないくせにまるで身体が拒否してるかの様にこれ以上はしてくれないんです……」
「これ以上はって……十分大問題だろうが!」
「問題なんかありません!私は望んで近藤さんを受け入れてるんです!!これで幸せなんですっ!」
語尾がかすれて泣いているのがわかった
涙が溢れる瞳は俺を睨んでいる
どうして邪魔するんですか
どうして私の幸せを奪うの
土方さんには関係ないじゃない
目は口程にとはよく言ったものだ
容易に読み取れた
それでもそれを認めるわけにはいかねぇ
幸せだと?
こんなモノ幸せなんて言わねぇ
寝ぼけた近藤さんを奪い取ると肩に担いだ
「近藤さんは俺が部屋に運ぶ……お前はもう……寝ろ」
後ろで嗚咽が聞こえたがそのまま放っておく
少し頭を冷やした方がいい
頼むから考え直してくれ
近藤さんの部屋から出ると庭に零の姿はもう無かった
自分も部屋に戻るも眠れるわけがない
カチッと煙草に火を付けて、ため息と共に煙りを吐き出した
頭を巡るさっきの出来事
零の言動にも腹が立ったが……思い出して唇を噛み締める
細くて華奢な零の首筋に唇を這わせる近藤さん
今日は未遂に終わったかもしれないが、今までどれだけそんな事が行われていたんだろうか
零が袖を捲くり上げた時、腕に痣があったような気さえしてきた
短くなった煙草を押し消して布団に転がる
結局はただの嫉妬か?
自分も零に触れたいと
近藤さんを羨ましがってるだけなのか?
それならただの餓鬼じゃねぇか
何に苛ついてるのか自分でもわからなくなってきた
ただひたすら『俺なら』と自問するものの、零の心が自分に向かっていない以上何も意味は無かった
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