隠し事
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その日の夜、俺は眠れずにいた
俺に誘いを断られた近藤さんは、一人いつもの場所に足を運んだらしい
結構がっかりしてた様に見えたが、行かないという選択肢はないのか
せわしなく寝返りを繰り返していると遠くの方で上司の声がして、ようやく主が帰って来たことを知った
ガタンと大きな物音が鳴り芽衣の声もする
……待ってたのか
そう思うと無性に腹が立った
近藤さんは相当酔っているらしく、何か意味不明に喚いている
それをなだめる芽衣の優しい声
どうせ自分も寝てないしと理由をつけて、介抱の手伝いをと起き上がった
近藤さんの部屋へ向かうがさっきまでしていた煩い騒音はない
少し不思議に思うも、もう寝たのか?で片付ける
何度言っても懲りない局長をどうしたら解らせる事が出来るのか、考えがまとまらないうちに勢いよく障子を開けた
「近藤さん!せめて静かに帰ってくるとか出来ねぇの、か……」
目の前に広がる光景
芽衣を組み敷いて覆いかぶさる近藤さんがいた
「…………は?」
「え……?」
同時に口にすると芽衣と目が合った
どちらも動けないまま、まるで時間が止まったかの様な空気
「……うー…ん……お妙さぁ……ん……」
俺の存在に気付いてないのか、そのまま芽衣の首へと顔を埋めようとする酔っ払い
「なっ……何してんだ近藤さん!!」
後ろから思いっきり肩を掴んで二人を引き剥がすと、そのまま近藤さんは庭へと転がった
「大丈夫か芽衣!?」
少しはだけた着物をさりげなく直しながら声をかける
「なんてことするんですか土方さん!!」
逆に叱られて目を見開いた
裸足のまま庭に飛び出し近藤さんを助ける芽衣は本当に必死の形相で
「近藤さんは酔ってるんです!乱暴にしないで下さい!!」
と俺を睨む
「ちょっ……ふざけんな!酔ってるからってお前、今何されたのかわかってんのか!?」
「私はなんともありません!近藤さんはこの通り……記憶なんてありませんから」
芽衣に抱えられてそのまま夢の中へ行ってしまった近藤さんに視線を落とし呟く
今の出来事なんて気にもしていない芽衣
愛しい人の寝顔を間近で見れて、さも幸せそうだ
「……悪いけどな芽衣、今日の事は明日近藤さんの酒が抜けたら、しらふに戻ったら本人に話させてもらうぜ」
「なっ……ど、どうしてですか土方さん!?私全然平気です!何もされてません!!それに近藤さんはいつも何も覚えてないんです!本当です!!」
真選組の局長である近藤さんの醜態を庇う様に芽衣が叫ぶ
その気持ちはもちろん自分にもあるが、またひとつ引っ掛かりが出来た
「"いつも"……だと……?」
咄嗟に自分の口を押さえて青ざめる芽衣を見て、それが聞き間違いじゃない事がわかった
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