若気の至り
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閉店間際にやって来て、一杯二杯と飲んで行く
片付けをしながら目が合うと、自然と身体が熱くなってしまうようになった
あれから私達の関係はずっと続いている
私が出てくるのを店先で待っていて、姿を確認すると手を取られる
そして隣に立って腰を抱く
肩に頭を預けて、それっぽく並んで歩いた
何処から来て、何をしてる人かなんて知らない
こうして毎回、私の顔を見てはあの憎めない顔で微笑んでくる
なだれ込むのはあの長屋か私の家だった
私の家だからって大してあの長屋と変わらない
多少小綺麗にしてあるだけで、古い建物に変わりはなかった
何処だって構わない
交われればそれでいいのだから
口づけを交わして裸になって、互いの性感帯を撫でてやる
息遣いが荒くなって滴る汗
下から見上げる銀時は、切羽詰まったように私の脚を割って欲望を突き付けてくる
その度に身体の奥が痺れて卑猥な声をあげた
それを嬉しそうに銀時に見つめられて、恥ずかしさのあまり目を逸らす
「何照れてんの。今更じゃね?」
「だとしてもっ……恥ずかしいのよ」
そう答えてしがみつくと、そのまま抱き抱えられて身体を起こした
下から突き上げてくる銀時のものがより奥に届く
身体を縦に揺さぶられて、胸をしゃぶられて
下品な程声をあげて、何度も何度も絶頂した
こうやって、時間と身体が許す限り、私達は肌を重ねた
田舎の飲み屋の女とその客
恋とか愛とかそんなものはない
ただ狂ったように、欲望に忠実なまま精を吐き出す
甘い言葉を囁くのは演出に過ぎない
どんなに口づけを交わしても
瞳が潤んでいようと、感じても
情を通じて得たものは何もない
はず―――
ある晩
後ろから突かれて絶頂を迎えた時、もう限界だと体勢を変えてほしいと振り向いた視界に入ってきたもの
胸がぎゅっと締め付けられて、一瞬泣きそうになってしまった
まだこんな感情があったのかと自分で驚いた
そして銀時にもそれが伝わった
「零……?どうした?」
「…………」
私達は恋人同士ではない
そんな始まり方ではなかったし、これからもそうなるつもりはない
そう思っていたのに、心の何処かで淡い期待を抱いていたようだ
そんな自分が間抜けで可笑しくて、思わず笑いながら言ってしまった
「銀時……貴方…………他の女も抱いてるわね?」
肩から鎖骨にかけて、私の知らない跡がある
まだ色が濃くて、見つけてくれと言わんばかりに主張していた
「…………さぁな」
誤魔化すように私を組み敷いて、いつもより強引に腰を打ち付けてくる
普段優しく抱く男が珍しい
この動揺が答えだと、また笑えてきた
「駄目よ銀時……女はねぇ……嫉妬深いんだから……」
その証拠がこの跡
この人は私の物よと宣戦布告の印
私より先に手を出していたのか後なのか
そんなことはどうでもよかったが、一気に萎えた気がした
故に、自分も女だったんだと自覚した
割り切った関係が心地良いと、何処か見て見ぬふりをしていたのだ
自分だけに甘えてくる銀時が可愛くて、母性本能をくすぐられているのを気付かないふりをして
それがそうやって、他所でも甘い言葉を囁いて、欲の吐き出し口を求めていたなんて
「寂しがり屋過ぎよ……」
頬を鷲掴んで自ら唇を押し付ける
舌を探って吸って
突かれる腰に脚を絡めた
銀時の動きが加速して、小さく呻くとどろっと欲を吐き出した
息を切らせた銀時が私の胸の上で呼吸を整える
頭を撫でてやると顔を上げてじっと見つめられる
身体を押し退けて座り直すと、それに続いて銀時も起き上がった
事後の気怠い身体はまだ熱を帯びている
それでも出来るだけ冷たく言った
「今日で終わりにしましょ」
特別でいたかったなんて
そんな台詞、恥ずかしくて言えなかった
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