若気の至り
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お金が欲しくて始めた水商売
と言っても、寂れた常連客しか来ないような飲み屋だ
大した金も持たずにやって来る客は、ツケだまた今度だと勘定を曖昧にして帰って行く
それを許しているママも大概だけど
お金が欲しくてと思って働いていたけど、こんなんじゃ自分の居る理由にならないことはわかっていた
そろそろ働く場所を変えようと思っていた矢先、見慣れない男が訪れるようになった
見慣れた糞親父達とは違いまだ若そうだ
店の隅で一人酒を煽る
いつもそう
静かに飲みたいのならこんな場所は場違いなのではと、客が減るかもしれないのを気にも留めずに声をかけた
「すみません、煩くて」
「……女つけてなんて言ってねぇけど」
「まぁ……タダですから。嫌なら戻ります」
お酌しようと瓶を傾ける
ここに居てもいいんだと、近付けるグラスが答えだった
そのまま黙ったまま酒だけが減っていった
ここだけ空間が切り取られたかのように静かに時間が流れる
すぐ隣では上半身裸になって騒ぎ立てる男が豪快に笑いながら酒を浴びていた
それを煽る違う男
盛り立てる女
いつもの光景ながらうんざりとため息が出て、この寡黙な男に申し訳なくなった
「私が言うのもなんですけど、店変えた方がいい「なぁ」
もしかしたら初めてかもしれない男からの会話に顔を見つめる
少し長めの銀髪が、酔いが回った虚ろな目を隠していた
「……なんですか?」
「お願いあんだけど……聞いてくれる?」
「……私に出来ることなら……」
私の答えを受け取ると勘定と言って立ち上がる
ふらついた足元に肩を貸してやると、そのまま腰を抱かれた
「……このまま出ようぜ」
内緒話でもするように耳元で囁いて、ママの許可も取らずに外へ出た
そうか、介抱しろってことね
随分飲んでたみたいだし
全く、若いからって無茶し過ぎなのよ
たまにしゃっくりをして身体を揺らすこの男の顔を見てやろうと下から覗き込む
僅かな月明かりを反射させて、紅い瞳がこっちを見ていた
見間違った
銀髪で隠れていたのは虚ろな目なんかじゃなかった
濡れて
鈍く光って
逸らせない瞳
「……あんたのこと…………抱かせてくんない?」
返事も待たずに、路上で唇を攫われた
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