溜め込まない方がいいのかもしれない
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「あれから俺は運転席で眠ってしまったようだった。気が付いて身体を起こすも、そこに零殿の姿はなかった。零殿には悪いことをしたと思っている。どうも慣れない長距離運転で疲れてしまったらしい。怒って先に帰ったのだろう……未だ連絡が取れず気を揉んでいるところだ。浜風を浴びて風邪でも引いてなきゃいいのだ「だからさっさと病院行けって言っただろうがァアア!!」
ドライブデートの詳細を、銀時に自慢しようと思って訪ねた万事屋
経緯からデートの終わりまで、事細かに伝えたつもりだったが何故か銀時が怒っている
デートをして来た俺に嫉妬してると思えば可愛いものか
「何を声を荒げる必要がある銀時。俺がデートをしたからってそう妬くな」
「デートじゃねぇよ!お得意の妄想だろうが!なんで山奥にあのモグラの父娘がいるんだよ!教習所に住んでたんじゃねぇのか!?」
「これは新しい発見だったのだが……どうやらカーブとカーブは地中で繋がっているようなのだ」
「それただのモグラの穴だよ!どんだけ移動してんだアイツら!」
「それに銀時!今回は俺だけじゃない、零殿にも見えたのだぞ!?松子殿とお父様と、会話も交わしたのだぞ!?」
「ヅラ……悲しい知らせだけどな、それもお前の妄想だ」
「な……何を言う!そんな馬鹿な話があるか!!一緒に蕎麦を食べ、ドライブに出掛けて……これの何処が妄想だと言うのだ!!」
最初の銀時よりも大きな声を出して、信じられないと桂が取り乱す
あんな感情豊かな零殿が妄想なわけないと、信じて疑わなかった
「だってお前、その零って女と連絡つかねーんだろ?存在しないからだろソレ」
「煩い!黙れ銀時!零殿は確かにいるのだ!あの時……間接キスをした時のことだって鮮明に覚えている!!」
「はぁ……お前よっぽど欲求不満なんじゃね?ハンドル握る前に別のモノ握った方が「俺を愚弄する気か銀時ぃいい!恥を知れぇええ!!」
唾を飛ばしながら真っ赤になって否定して、いよいよ銀時の読みも現実味を帯びてきた
デートに行ったり自分の取り合いをさせたり、堅物真面目キャラの代償が妄想という形で顕現していた
「とりあえず落ち着け。そして病院に行こう。ほらアイツ……白いの……エリザベスに連れてってもらえよ」
「エ、エリザベス……?」
そういえば、エリザベスの姿も暫く見ていない
ドタキャンされた前の日から見てないような気がする
いやそんな……そんなことがあってたまるかっ……
「おいおいおいっ……エリザベスまでお前の妄そ「そんなはずあるまい!!」
と言ったものの、思い返せば様子がおかしかった
そもそもあんな下世話な話をするタイプの男ではない
俺と誰かをくっつけようだなんて、今までしたことがないのに何故もっと疑問に思わなかったのだ
それ程自分も浮かれていて……いや、妄想に囚われていたのか……!?
「あのエリザベスも俺の妄想だと言うのか?女と〇〇〇したいという欲の為に……!?」
「自分で言うんだ!?とにかく本物のエリザ「エリザベスゥウウ!!俺を見限ったのか!?そうなのか!?頭がお花畑になった俺に嫌気が差したんだろう!そうなんだろ!!」
「お花畑は年中な!」
喚いていたかと思えばスッと立ち上がって涙を拭く仕草を見せた桂
真顔になった桂と目が合うと、銀時はゴクリと喉を鳴らした
「銀時……」
「なに……」
「俺はこれからエリザベスを探す旅に出る。止めてくれるな」
「止めてないけど。てか……いなくなったのは本当なんだな?妄想じゃないんだな?」
「銀時」
「なんで答えねーんだよ!こっちが怖いんだけど!!」
「必ずエリザベスを見つけだす。友を失うわけにはいかぬからな」
「その友を妄想でゲスい奴にしたの誰!もうホントウッゼェエエ!さっさと帰れよ!!」
フッと謎の笑みを残して去っていく桂
頭を抱えた銀時は暫くソファーの上から動けなかった
「頼むから……頼むから病院に行ってくれ……!!」
治療じゃなくて人体実験でもされればいい
そのくらいの頭を持つ桂を友に持つ銀時の悩みは永遠に尽きないのだった
終
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