ヲタク心に火をつけて
名前変換について
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「土方さん、何かこいつムカつくんで一発やっちゃっていいですかィ?」
「駄目に決まってんだろ!!この数秒で何があったってんだ!?」
私の視線に気分を害した沖田総悟が突っかかってくる
ふふふ……まだまだ青いわね
土方さんだったらこんな事で動じるわけないのに
謎の優越感に浸って、まだ若い彼を見つめる
はいはい、女の子たちが好きそうな顔してるわ
黙ってればいいかもしれないけど、私はもう本性を知ってしまったのだから何もトキめかない
コーラに口を付けて、土方さんとの格の違いを噛み締めていた
「土方さん、俺も喉渇きやした。ジュース買って下せェ」
「あ?んなもん自分で買えよ」
「買ってくれなきゃサボってんのバラしやすよ」
「別にサボってるわけじゃ……はぁ、待ってろ」
煙草を灰皿に押し付けて、面倒くさそうに道路向かいの自販機へ向かう土方さん
貴重な土方さんからのジュースを、コイツはこんな簡単に入手出来てしまうのか?と大分納得がいかない
妬み、嫉妬、色んな感情が混ざり合って、また沖田総悟にとって気に食わない目で見てしまった
「……なんなんでィ、お前」
「別に……」
プイッと視線を逸らして土方さんを目で追う
ただ歩いているだけの後ろ姿だけでカッコいい
目の保養にと今日も眼球に刻み込んで、いつの間にか頬が緩んでいた
「…………ふぅん」
「なに?」
同じく土方さんを目で追いながら、沖田総悟が不敵に笑う
そして私にこう告げた
「お前……土方さんに惚れてんだろ」
「!!」
ニヤニヤしながら私の顔を覗き込む沖田総悟
へぇだのふーんだの、顔がもうからかいたくてしょうがないと言わんばかりだった
何も知らない事のなんと嘆かわしいこと……
「ったく……お前みたいな小娘の事、土方さんがどうこう思うわけねェだろ。悪い事は言わねェ、さっさと諦め「違うわ」
両肘をついて顎の前で指を組んだ
視線は土方さんから逸らさない
真っ直ぐ見つめたまま、沖田総悟に教えてやった
「土方さんは……私の推しよ!」
「…………は?」
拍子抜けして、間の抜けた顔になる沖田総悟
いつも一緒に居る癖に何も分かってないらしい
如何に土方さんが愛おしいかを
「見なさい」
「何を……」
「土方さんが自販機に小銭を入れてるわ。だけど十円玉だけ戻って来るみたい」
「え、見えてんの?お前」
「小銭返却口から取って入れ直してるわ。それでも戻って来てしまう……今の彼の心境が貴方にはわかる?」
「めんどくせェの一択だろ」
「違うわ!『この十円玉……偽造硬貨じゃねぇよな……?』が正解よ!」
「はぁ?」
そんなわけあるかと自販機の前にいる土方に目を戻す
自販機に受け入れられず、戻って来た十円玉を摘んで凝視していた
「いやいやいや、あの人だってそこまでは……」
「そうね……確かに普通の人じゃそこまで考えないわ。でもね……土方さんなら……彼の根が真面目なばっかりに至ってしまう考えなのよ!」
使えない十円を財布にしまって、新たな十円玉を入れ直した
ボタンが点灯して、ようやく認識してくれた事に胸を撫で下ろしている
ボタンを押すと沖田の為のジュースがガコンッと落ちてきた
手を差し込んでジュースを取り出す
その顔はホッとしてはにかんでいるように見えた
「……何してんだ土方さ「可愛い!!」
「え」
今の一連の動きの何処に可愛さがあったのか
沖田がドン引きしながら眉をひそめる
どんなに引いていようが、零は動じなかった
「トラブルもあったけど負けずによく買えましたね、土方さん」
「何処がトラブルなんでィ。お前、甘やかし過ぎだろ」
「ほら見て!沖田総悟!急に車が増えて、土方さん道路渡れなくなってる!可愛い!!」
「だからそれの何が可愛いってんだ」
はぁ……とため息をついても、零は土方に夢中で聞いていない
最初から思っていたが、何なんだコイツはと改めて零の顔を見る
好きだ惚れたとは違うと言うが、傍から見ればどれも同じだった
道路を渡りきって土方が店の前に戻って来る
沖田に缶ジュースを渡して、すかさずポケットを漁った
また煙草でも吸うんだろうか
「零、これ」
「なんですか?」
「渡しそびれてた……コーヒー二本も貰ったからな」
「え!?」
「今日のおやつはチョコレートだ」
まだ溶けてないと思うと付け加えて、零の手の平に預けた
.