寝不足②
名前変換について
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『あー……添い寝か。確かに効果はあったみたいだからな。それじゃあまたやってみるか』
なんっって白々しい!
私から言わせることで辱めて楽しんでいる!
性格悪い!腹黒い!!
弱者を弄んで何が面白いのか!
昼間のやり取りを思い出すだけで腹が立つやら恥ずかしいやら
そんな事をぐるぐる考えていたらあっという間に夜になってしまった
『今度はお前が来いよ、俺の部屋に』
辱めポイントを上乗せして言われた約束に動揺が隠せない
そもそも何時に行けばいいのか
今は十時半だけど、土方さん的には早いような気がする
それでも出来るだけ多く睡眠時間は取りたいし……って、快眠出来ると確信している自分が恥ずかしい
「よし……」
お風呂も入ったし歯も磨いたし、準備は整っている
後は土方さんの部屋に行くだけ
それが一番の問題で、土方さんの部屋の前に着いた今も、入れずにうろちょろしていた
「零?入っていいんだぞ」
忙しなく動く影に痺れを切らしたのだろう
土方さんが声をかけてくれた
その声が昼間とは違って優しくて、胸の辺りがきゅっと締め付けられた
「夜分にすみません……お邪魔します……」
「約束してんだから断りなんか要らねぇだろ……ってお前、何持ってんだ?」
「え?枕ですが……」
別に枕が変わると眠れない性分ではない
ただ手持ち無沙汰が気になって、不安も相まって力いっぱい抱き締めていた
「すみません、邪魔でしたよね」
「いや、いいんだけどよ」
見れば既に布団は敷かれ、土方さんの部屋名物の書類の山は姿を消していた
土方さん自身も身支度を済ませたようで、見慣れているはずの着流しがあの日を思い起こさせた
「枕、こっちに置けよ」
「は、はいっ……」
「今お前が抱きしめなきゃなんねぇのは俺だろ?」
ぶはっっ!!
思わず吐血しそうになって口元を覆う
違うけど違わない
思いっきりツッコんで否定したかったけど、正直そういう体勢になるのはわかっている
前もそうだったけどこの時の土方さんはいつもと違う
なんだかとっても甘い
「ほら、お前も入れ」
明かりを消して、先に布団に入った土方さんが掛け布団をめくって誘ってくる
いやいやいや
誘ってくるってなんだ、誘ってくるって
「し、失礼します……」
目的はあくまで添い寝
土方さんの心臓の音を聞いて眠ること
睡眠不足の解消
ただ純粋に寝たいだけ
他に何の意味もない、何も……
頬杖をついて私の動きを見守る土方さん
突き刺さる視線を感じながら出来るだけ触れないように隣に横になる
土方さんの心音を聞く前に、自分の心臓が爆発してしまうんじゃないかと思った
「もっとくっつけよ。そんなんじゃ聞こえねぇだろ?」
「こ、これ以上は……大丈夫ですっ」
「遠慮しねぇで……な?」
な?で、クイッと片脚を取られて土方さんの脚の上に乗せられた
乗せられたというか、片脚が跨って……
「ひひひ土方さんんん!!なななな何してんですか!!」
「何って……別に。身体くっつけた方がいいだろ」
その脚をさわさわ撫でられて、くすぐったいような感覚に身をよじる
それを感知した土方さんが暗闇の中含み笑いを浮かべた
「零?どうかしたか?なんか身体が……」
「どうもしてませんんん!は、早く寝ましょう!」
そう言っても脚をまさぐる手は止めてくれない
こんな事をされては眠れるわけがない
恥ずかしくて止めてほしくて一矢報いたくて、胸の前で固まっていた腕を布団の中に忍ばせて、土方さんの太ももをつねった
「ん……!」
「お、お触り……厳禁です」
「お前……男の下半身に手ぇ出しといて……何言ってんだ」
「か、下半身て言わないで下さい!太ももです!太もも!」
布団の中で手が捕まって、指を絡めて捕らえられる
抱き抱えられているわけじゃないけど、もう逃げられないんだと思った
「なぁ、零」
「は、はい……なんでしょう?」
吐息交じりの声が耳にかかって熱くなる
暗闇に目が慣れてきて、目が合わずともこっちを見ているのがなんとなくわかった
「今日は俺がお前の心臓の音、聞いていいか?」
「は、はい?」
いろんな意味で寝かせる気ないだろ!土方さんん!!
私が何の為にこの部屋にやって来たのか、この人は忘れてしまったんじゃないかと一気に不安に陥った
.