寝不足②
名前変換について
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
薄暗い部屋
ぼんやり見える天井
静まり返った屋敷
「……全っっ然眠れない……」
目がギンギンになって血走っている
それに合わせて呼吸も荒い
こんなに眠れる体勢が整っているのに、よりによって今までで一番目が冴えている
当たり前だけど今日は土方さんはいないから、どうにかして心を落ち着かせようと自分の心音に耳を傾けた
トクン………トクン………
一定のリズムで脈打つ鼓動
トクン………トクン………
トクン……トクン……
トクン…トクン…トクン…トクン
ドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドク「死ぬぅうううう!!」
ガバっと起き上がって何とか息を吐き出した
「はぁはぁはぁ!!」
耳を傾けるどころか、逆に意識し過ぎて頭がおかしくなりそうだった
この心臓はどうして動いているんだろう
毎日毎日休みもせず、狂うことなく動き続けている
もしこれが止まったら自分が死ぬということだ
そう、一瞬でも止まったら……
「ぎゃああああ怖ィイイ!!」
心音の呪縛に囚われて、その日から夜が恐ろしくて今以上に眠れない日々が続いた
「どうしたんでィ、その顔」
久しぶりに見廻りのペアになった沖田隊長が引き気味に聞いてくる
確かに目の下にドス黒いクマを作って顔色も悪ければ目に付くだろう
珍しく心配そうに声をかけてくれた
「はは……ちょっと寝不足でして……」
「寝不足?だったら睡眠薬でも飲んだらいいじゃねェか」
「ですよね!?私もそう思うんです」
「ならなんで……」
土方さんに何故か睡眠薬を止められた事、他の解決案を提示された事を話した
もちろん添い寝の部分は省いて
「いや、それに従ってるお前も大概だけどな」
「そうなんですけどね」
やっぱり病院に行ってみようとその場はそれで終わった
屯所に戻って厠から出ると沖田隊長が近寄ってきた
目で合図を送られると手を出せと言っている気がしてそっと差し出す
ガサッと何かに触れたかと思うと沖田隊長がニヤリと笑って言った
「……今回はこれだけな?」
「いやヤクの取り引きじゃないんですから!!」
「ヤクの取り引きだから」
「は!?」
手に握らされた物は白い包みで、恐る恐る開けてみると中には本当に薬が入っていた
「ちょっ……これ……!?」
「医務室からパクッてきた。睡眠薬」
「いや駄目でしょ!沖田隊長!!」
「少しくらいわかんねェだろ。きっと、多分」
「絶対ちゃんと管理してますよ!私怒られたくないんですけど!」
「まぁまぁ落ち着けって。これ飲んだら今夜……コロンッだぜ?」
「言い方が怖いんですけど!!本当にヤクみたいに思えてきましたけど!」
沖田隊長の誇張のせいで、土方さんが言っていた睡眠薬は危ないというのが現実味を帯びて聞こえる
反面これを飲めば楽になるのかと手を伸ばしたい気持ちもある
あぁ……私はどうすればいいの
「……何してんだ?お前ら」
少し声が大きかったのか、いつもサボり常習犯の沖田隊長に目を光らせていたのか、既に半ギレの土方さんが現れた
.