I am yours /Megatron
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メガトロンにとって、私はどんな存在なのだろう。
いや、考えるまでもないか。
あの人の頭の中にあるのは常に、自身の種族の存続とその手段についてのみだ。
私は彼にとって、目的を達成するための盤上の駒のひとつにすぎない。しかも、使い捨ての。
そこに特別な感情なんてなく、必要無くなればいつだって彼は私を簡単に殺してしまえるだろう。捻り潰したり……或いは、エネルギー弾で粉々にしたり……。
サムの近親者としてバリケードに捕まってから、自分が彼に殺される所を何度も想定した。
「来たる時は働いてもらう」と言われてそれっきり、暗い地下室のような所に押し込められて他にすることも無かったからだ。
《お前は、人間の中でも中々身分を弁えられている利口な個体だ。地球を我が手中に収めたらペットとして飼ってやってもよい》
そんなふうに嘲笑うメガトロンを見て、それも悪くないかなと思うようになった自分は、とうに狂っていたのだろう。
光の届かないカビ臭い地下で常に武器を向けられ、1日の食料がパン1つに飲み水は泥水ともなれば、死への恐怖が麻痺して代わりに愛を抱くようになるのも仕方ない気がする。
「私はあなたのモノです、メガトロン様」
私を拉致した人に心からそう言えるようになったのはいつからだったか。
ここ最近は会う度に1〜3回は言っているような。
これが俗にいうストックホルム症候群なのね。
麻酔のようにじんわりと脳も心も支配している病気に、主観的に診断名をつけてみた。
もはや身体中、彼への狂気的な愛で満たされていた。そして、そんな自分が幸せだった。
彼のモノとして所有されていることが幸福だった。
《……そうか》
「はい。私は、あなたのモノです」
遙か上にある彼の赤いオプティックが、満足気に細められる。
私はそんな思わせぶりな彼の仕草が好きだ。
結果はわかりきっているのに、こうやって期待させるような態度を取られると、私は彼にとってなんなのかと考えずにいられなくなる。
自分は取るに足らない道具なんだと身分を弁えていても、もしかして、なんて舞い上がってしまうのだ。
だから私は、覚えたての言葉を繰り返す幼子のように……もしくは、それしか言葉を知らない鳥類のように何度も繰り返すのだ。
+─────*─────+
fin.「I am yours」
いや、考えるまでもないか。
あの人の頭の中にあるのは常に、自身の種族の存続とその手段についてのみだ。
私は彼にとって、目的を達成するための盤上の駒のひとつにすぎない。しかも、使い捨ての。
そこに特別な感情なんてなく、必要無くなればいつだって彼は私を簡単に殺してしまえるだろう。捻り潰したり……或いは、エネルギー弾で粉々にしたり……。
サムの近親者としてバリケードに捕まってから、自分が彼に殺される所を何度も想定した。
「来たる時は働いてもらう」と言われてそれっきり、暗い地下室のような所に押し込められて他にすることも無かったからだ。
《お前は、人間の中でも中々身分を弁えられている利口な個体だ。地球を我が手中に収めたらペットとして飼ってやってもよい》
そんなふうに嘲笑うメガトロンを見て、それも悪くないかなと思うようになった自分は、とうに狂っていたのだろう。
光の届かないカビ臭い地下で常に武器を向けられ、1日の食料がパン1つに飲み水は泥水ともなれば、死への恐怖が麻痺して代わりに愛を抱くようになるのも仕方ない気がする。
「私はあなたのモノです、メガトロン様」
私を拉致した人に心からそう言えるようになったのはいつからだったか。
ここ最近は会う度に1〜3回は言っているような。
これが俗にいうストックホルム症候群なのね。
麻酔のようにじんわりと脳も心も支配している病気に、主観的に診断名をつけてみた。
もはや身体中、彼への狂気的な愛で満たされていた。そして、そんな自分が幸せだった。
彼のモノとして所有されていることが幸福だった。
《……そうか》
「はい。私は、あなたのモノです」
遙か上にある彼の赤いオプティックが、満足気に細められる。
私はそんな思わせぶりな彼の仕草が好きだ。
結果はわかりきっているのに、こうやって期待させるような態度を取られると、私は彼にとってなんなのかと考えずにいられなくなる。
自分は取るに足らない道具なんだと身分を弁えていても、もしかして、なんて舞い上がってしまうのだ。
だから私は、覚えたての言葉を繰り返す幼子のように……もしくは、それしか言葉を知らない鳥類のように何度も繰り返すのだ。
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fin.「I am yours」
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