お前に娘はやらん!!!/+Jetfire,Optimus
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その時
バーンッ!!!!!
と、空を割るような爆発音が天井のさらに向こうから聞こえた。
オートボットでも貴重な航空戦力である彼女が、エンジンを再点火した時の音である。
《帰ってきた……!》
そう言って格納庫のシャッターを破壊しそうにな勢いで出口を目指すジェットファイアーに驚き、慌てて開閉ボタンを押す。
シャッターは、ジェットファイアーの頭スレスレを掠め、なんとか大破は免れた。彼がエネルゴン不足に陥らず、未だに背筋が伸びていたとしたらそうはならなかった。
杖をつき、バタバタした足取りで滑走路に出る彼がまた何か壊しでもしたら堪らないと思ってお目付役のために着いていく。自分の自由時間を奪われ、ジャズは腹を立てていた。
歩幅の大きいジェットファイアーに追いつくために全速力で駆けていたが、突然柱にぶつかって後ろに吹き飛ぶ。柱はジェットファイアーだった。急に立ち止まるもんだから、その後ろを着いて走っていた勢いのままぶつかってしまったのだ。
いよいよ怒りが爆発しそうになるが、ジェットファイアーが口をあんぐりと開けて空を見上げているのが気になって、ジャズも立ち上がりながらオプティックを青空へ向けた。
雲ひとつ無い快晴の中を自由に泳ぎ回るYF-12。クインが祖父に憧れてスキャンした、ブラックバードの派生型戦闘機だ。
彼女はまっすぐに基地に向かってくるのかと思いきや、右に大きく旋回すると、機体を大きく仰け反らせる。
《これは……》
思わず息を呑んだ。
白いスモークを焚きながら彼女が空に描いたのはオートボットのエンブレム。
たった一人で空をキャンバスにして、忠実にそれを描きあげたクインに目を奪われたのは俺だけではなかった。
《素晴らしい……》
ジェットファイアーが泣けないはずなのに、目頭を抑えながら呟いた。
また点火音が聞こえ、今度こそ彼女がこちらに飛んでくる。NEST隊員の誘導の元、俺たちは滑走路から退くと、音速で迫る戦闘機の着陸を待った。
《あ、あの野郎……!》
《オプティマス?!》
ほぼ同時に2人で叫んだ。
我らオートボットの司令官が、音速で飛行するクインの背中に張り付いて一緒に帰還してきたからである。あのアートを作り上げたのは、1人ではなく2人だったようだ。
いくらトランスフォーマーといえど、体は大丈夫なのか?!と、ここにいる誰しも……いや、ジェットファイアー以外は思ったはずである。