私を月へつれてって/*Jazz
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NEST隊員として共に同じ釜の飯を食った(あの時はまだ食事できる機能がなかったので比喩だが)クインと同棲を始めたのは、終戦を迎える少し前からだった。
ただの車としてガレージに住み着き、本部へ向かう彼女を送る役割を担うのは好きだったし誇らしかった。
けれど、人のように同じ部屋で映画を見たり、彼女の手料理を食べることの喜びを知ってからはもうあの頃には戻れないな、と思う。
今でも足としての役割は継続しているが、大きな手や硬い体のままであれば、彼女の髪を梳くことも、腕の中に閉じ込めて寝顔を堪能することも出来なかっただろう。
こうして一緒に、ホームパーティの後片付けをすることも。
デザートに出したケーキの甘い香りがまだリビングに残っている。
さっきまでどんちゃん騒ぎだったのが嘘みたいに、俺たちの家は静まり返っていた。