手合わせ願います/+Jazz
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地球に来て初めて手合わせをした時に私は師匠への弟子入りを果たしたが、3ヶ月経った今でも彼に勝てた事は一度も無かった。
自分と違って小柄(本人に言ったら絶対怒られる)で俊敏な動きをする彼は、自分と非常に戦いの相性が悪いのだ。
その理由あって、彼を師匠と仰ぐようになったのだが。
私は強くなるために生きてきた。
力を磨き、勝つことこそが生きている証と思っているからだ。だからこそ、弱点などあってはならない。なんとしてでも、正々堂々、師匠に勝たねばならないのだ。
《……それで、私に稽古を申し込んだのか》
《はい》
シミュレーションを終え、スリープから目覚めると辺りは暗くなっていた。
眠る前まで格納庫内にいたアイアンハイドはレノックスの家に帰ったらしく、ここにいたのは、人間たちとの会議を終えたオプティマスと、私のようにスリープモードで休んでいるオートボット数名だけだった。
《それにしても……いいのか?
ジャズに対策するなら、ツインズかバンブルビーの方が体格的にも近いだろう?》
《おっしゃる通りです。ですが、貴方とも戦ってみたいと、常々思っていたんです》
強者との戦闘データは有ったに越したことはない。しかし、冷静で温厚な司令官は、無駄な争いを好まない
私は走り出すと、彼の顔にパンチを一発繰り出した。
……容易く手で受け止められてしまったが。 師匠の指導のお陰で重みを増した拳を見て、彼は「ほう」と感心していたようだった。
《ジャズの見込んだ通りだったな。いいパンチだ》
全力で体を押し返され、後ろに倒れそうになる。間一髪で宙返りをし、着地することで勢いを活かす。
ファイティングポーズを取ると、彼もそれに倣った。その気になってくれたようだ。
《さあ、オプティマス。師匠が帰ってくるまで、手合わせ願います》
《いいだろう。ちょうど私もメンテしたばかりで勝手が分からなくなっていた所だ。では………いくぞ!!》
互いの金属ボディがぶつかり合う甲高い音が試合の合図だった。