戦線前夜/Optimus
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不自然に思いつつも、調べてみようと思い車…もとい大型トラックに歩み寄る。
ただの中古車屋にはふさわしくない体躯のピータービルトだ。
でも近くに運転手もいなさそうだし、トレーラーヘッドだけなのを見ると、この子は確かにこの店の商品なのだろう。
車の後ろから品定めするようにピータービルトの左側を歩く。
エンジンをかけたら低く唸ってくれそうな2本のマフラーに、ステップ、グリップ、そして特徴的なメタルブルーのボンネット。
クールな青一色でもかっこいいのに、ファイアパターンなんて入れちゃって……。
「…?なんだろ、これ。エンブレム……?」
バンパーに人の顔のようなマークがついている。どこかの会社のマークではなさそうだし、前に使ってた人のオリジナルカスタムとか?
親指の腹ですり、とそこに触れる。なんだか、今まで触ったどの金属とも違う触り心地の気がする。……そんなまさかね。
今度はピータービルトの右側を回って、もう1回正面に戻ってきた。全身を見て回れて満足だ。
(何度見てもかっこいい。)
働く車オタクだった母の影響もあり、私はすっかりこのピータービルトに惚れてしまった。
……キャビンに座るくらいならいいかな?
脳裏をよぎった煩悩と理性がまた戦って、理性が負ける。
大丈夫。
どうせオートマ止まりの私に運転なんてできっこないし。エンジンキーさえ触らなければマズイことにはならないでしょ。
この街で暮らしてると多少の罪悪感には免疫がつく。
私の心の中はウキウキとはやる気持ちだけで満たされていた。
ステップを上り、キャビンに乗り込むとあまりの高さにフロントガラスから見える景色が、まるでアニメの戦うロボットの操縦席から見下ろす景色のようだった。
もっと興奮した私はエンジンを付けないまま、ハンドルを切ったり、シフトレバーを触ったりしてしばらく遊んだ。
まさか自分が、あの会社のトレーラーに触れるなんて。
はあいい体験だった。
と、ほくほくした気持ちでシートベルトを外し、車を降りようとドアに手をかけた。
____ドアが開かない。