正午、とある日曜日/Ironhide
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あと数歩でクインがアイアンハイドの元へ来る。
……という時に、横から知らない男が現れ彼女を引き止める。
ブロンドの髪を撫でつけた胡散臭い男だ。クインの知り合いでもないらしい。
ただでさえ何時間も待たされているというのに、あと少しの所で邪魔をしてきた相手が、自分と真逆なチャラチャラとした出て立ちだったことがアイアンハイドの神経を逆撫でした。苦手なタイプである。
「……〜〜」
「……!……△△ヾ¥〃……」
「!!……!!」
『!』
会話は聞こえないが物騒な事になってきた。
男がクインの肩に腕を回し、抵抗する彼女を無視して連れていこうとしているのである。
どうしたもんかと困り果てた時、不安そうな表情をしたクインと目が合った。
戦場で共に戦っている時とは違う、頼りない顔に、通っていないはずなのに血の気が引くような思いになる。
次の瞬間、何とも言いようのない感情がふつふつと湧き上がるとアイアンハイドを襲った。
それは仲間を傷つけられた時の激情とよく似ている。
ブォオオオン!!ブォオン!!
すかさずエンジンの空ぶかしを行い、バリバリと大きな音を立てると男が怯んでこちらを見た。
そのまま轢き殺してやっても良かったが、クインを巻き込むと大変なので我慢する。
その隙を見てクインが男の手を振り払い、こちらへ逃げてきた。
作戦が上手くいってほっとしたのもつかの間、彼女が言い放った言葉にアイアンハイドはフリーズしそうになった。
「アンタなんかより、よっぽどイケてる彼がいるんで!!失礼します!!」
助手席に乗り込んで、「アイアンハイド!運転お願いします!」と腕を組んでいるあたり、恥ずかしいことを言った自覚は無いらしい。
言われるままに今度こそウィンカーを出し、発進する。
フロントガラスに向かって舌を出す彼女に倣い、アイアンハイドも男をジロリと睨め付けた。
クインの挑発に中指を立てようとしていたナンパ男は、アイアンハイドのメンチ切りに震え上がり何も出来なくなっていた。
その態度にまたアイアンハイドは苛立ちを覚えたが、助手席のクインがもう普通の顔に戻っていたので気にしないことにした。