ニオイセンサー/Ratchet
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《とにかく、謝った方がいい状況ではあるな》
《全く心当たりがないまま謝るのは、人間のマナー違反だとインターネットにあるんだが……》
《お前なら問題ない》
《そうか?うーん。
……まあ、俺もいい加減無視されるのはウンザリだからな。レノックス少佐、クインを見なかったか》
突然白羽の矢が立てられたレノックスは驚いた。
近付く巨大な顔に、堪えずとも笑わなかったくらいに。
「……そういえば、さっき廊下ですれ違ったな。体調が悪いから今日は早退するって。顔が真っ青で心配になったよ」
《……ああ、そういう事か。》
呆れにも似た大きなため息をついて、ラチェットは額に当たる部分を手で抑えた。
レノックスの証言で、真相を理解したらしい。
《少佐、感謝する》
「いいんだ。仲直りできるといいな」
《努力する。》
強く言い残してビークルモードにトランスフォームした彼は格納庫を去っていった。
「……あれ、ラチェット、パラシュート置いていったか?」
エップスが口を引き結んだまま目を大きく開き、肩をすくめた。
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薬を飲んだのにまだちょっと痛い……。
お腹すいてるけど、作りに行くのも食べるのもめんどくさいなあ……。
かといって、外にも行けないし。
月一でくる生理現象にうんざりして長く息を吐く。
鳩尾が急に痛くなったり、呼吸ができないくらいズキズキと下腹部が痛んだり、腰が重たいのを誤魔化すようにイヤホンで耳を塞いだ。
お腹がすいてキュウキュウ鳴っているのも腹痛の原因だとは思うが、いつもより重い症状に全ての事柄へのやる気を削がれ、立ち上がる理由はもはやトイレだけだ。
もしこのまま仕事を続けていたらきっともっと酷くなっていた。
早退する許可をしてくれた女性上官に感謝だ。
……ラチェットにも伝えた方が良かったかな?
いやいや。デリカシーが無いことを自覚させるには、言葉だけじゃ十分じゃない。行動でも示さないと。
月経初日に起こった通称ラチェット事件(私が勝手にそう呼んでいる)でのことを思い出して、また顔から火が出そうになる。