ニオイセンサー/Ratchet
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《ラチェット、どうして今日はずっと、人間のパラシュートを鼻に詰めているんだ》
報告会が終了し、人もまばらになった頃、唯一笑いのツボにハマっていなかったオプティマスがラチェットに声を掛けた。
"よくぞ聞いてくれた……!"と再び格納庫内の人とトランスフォーマーの心が一つになった。
NESTの一部に変態軍医と認識されているラチェットのことだから、ふざけた理由が口から飛び出してくるかもしれないと思ったが、悩ましげに語られた真相は意外にも真面目な話ぶりだった。
《実は、クインに文句を言われたからなのだよ。トランスフォーマーの嗅覚…特に私のセンサーは、ホルモンレベルで解析ができるだろう?
それが嫌だと、理由も教えて貰えずに突っぱねられたのだ……》
《なるほど。まあ…大方、デリカシーの無い発言で彼女を困らせたのだろう》
《おいおい、俺がいつもそうしてるみたいな言い方はよしてくれよ》
してるだろう。いつも。彼女に。
と言いかかったレノックスは口をぐっと引き結ぶことで無言を貫くことに成功した。
オプティマスの発信したメッセージにより、オートボットには新しい戦士が加わった。
しかしそれは、人間側にも言えることだった。
地球外生命体というトップシークレットに関わる仕事なだけに、適性検査や選考は厳しいものだが、カリフォルニアの戦いで実際にトランスフォーマーを目撃した上で志願してきた者はその限りではない。
現在、人間の中でもオートボットのリペアをできるようにとラチェットの元でトランスフォーマーの構造や治療法を学ぶ人物がいる。
それがクインという女性隊員である。
彼女は、元はミッションシティの自動車店で整備士として働いており、メガトロンとの戦いに巻き込まれた際にラチェットに命を救われたことがきっかけで、入隊した志願兵であった。
彼女の入隊を人事部に強く押したのは他でもない、面接官の1人としてクインと対面したレノックスである。
ラチェットに救われた命を、彼を助けることに使いたい。
真剣な目でそう言ってのけた彼女。
信頼するなと言う方が無理だった。
しかし今となっては、助けた側と助けられた側、上官と助手という垣根を越え……。
心の垣根の先を踏み荒らしていると言えるまでに二人の関係は発展していた。
信頼しあっているからこその関係だと多くの仲間たちは解釈していたが。