ニオイセンサー/Ratchet
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その日、NEST本部のオートボット格納庫では、笑いをこらえる人間とトランスフォーマーたち、そして大真面目な顔で1人のトランスフォーマーが新たな作戦の報告会を行っていた。
中でもこの度少佐に昇格したレノックスは、立場の関係もあって唇を強くかみ締め身体を震わせるだけに留めている。
自分が笑ってしまえば、「あ、上官が笑ったから自分も笑っちゃおう」という部下を出しかねないというのを彼はよくわかっていた。
しかし、そう思えば思うほど、我慢すればするほどレノックスの腹筋崩壊メーターが上昇していく。
我慢している状況すらもおかしく思えてしまう。
本当になんで………ラチェットは、鼻栓をしているんだ……!
と、ここにいる全ての人と機械生命体が思っていた。
機械には鼻炎なんてないと思う。
仮にあったとしても、彼の顔をよく見なければ耐えられる。
しかしレノックスは、人の目をしっかり見て話す癖のせいで気づいてしまっていた。
考えれば当たり前だが、トランスフォーマーたちに会うような鼻栓はこの地球には存在しない。
彼が鼻の穴に詰めていたのは__
NEST隊員が使うパラシュートだったのだ……!
(あ、まずい)
"もしあの鼻から、誤作動でパラシュートが開いてしまったら"なんていう想像をしてしまったせいでもうダメだった。
頭の中が、鼻からマッシュルームを生やしたようなラチェットに占領されてしまってお手上げになってしまう。
しかも、パラシュートが力の抜けた風船のようにしおしおと鼻先から垂れていく妄想までしてしまい、表情筋を抑えていた力がつい緩んでしまった。
口からふっと息が漏れかかったタイミングで、ちょうどアイアンハイドがラチェットに質問をしたため、自分の息がかき消された。
そしてラチェットの顔もアイアンハイドの方を見たので、一時的に笑いが止まってくれた。助かった、相棒。
大きく深呼吸したレノックスは改めて資料に目を落とし、頭に入ってこなかった部分を読み返した。
トランスフォーマーの詳しい生態はまだよくわからないが、アイアンハイドから出ている「キシキシ」という機械音は笑いをこらえるせいで出ている音に違いないと思った。
なぜなら、レノックスは彼の笑う時の声や音をよく知っていたからである。