Ice cream Night:☽ /Bumblebee
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「……おやすみ」
そういってガレージから出ていく彼女を見つめ、バンブルビーはドアを閉めた。
トランスフォーマーである自分を、まだ受け入れられない様子の彼女に、初めて夜の挨拶を貰ったことでスパークがバチバチ弾ける。
彼女の気配が完全に消えたことを感知すると、バンブルビーは続いてメモリー装置を起動させ、ブレインサーキット内で彼女の映像を投影……人間で言うところの"思い出す"という行為を行っていた。
短い間にわかった彼女の好物、アイスを頬張るクインの笑顔。
姉弟ということもあって、顔のパーツはどことなく似ているというのに、彼女の笑顔はどこか神秘的で、親友サムといる時とはまた違った気持ちをバンブルビーに抱かせる。
だから、さっきまで一緒にいれた時間はバンブルビーに取ってこの上ない至福だった。
まだ名前の分からないこの気持ち。
どう表現すればいいか、人間の言葉であっても母国語であってもできない気がする。
けれど、車内で幸せそうにバニラアイスをすくっていた彼女の表情を、バンブルビーは唯一比喩することが出来た。
以前見上げた欠けた月。
弧を描く彼女の唇。
サイバトロンから見えた瞬く星のように煌めく瞳。
(……本当に、綺麗な月だった)
人知れずクインの笑顔を月に例えたバンブルビーが、自分の行動の理由を知るのは、また別のお話。
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fin. Ice cream night:☽