Ice cream Night:☽ /Bumblebee
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変形して5mもあるバケモノにさえならなければ、サムの審美眼を手放しで褒めてあげられるのに。
腰くらいの高さの物置からヘルメットとキーを取り、愛車のドラッグスター250に忍び寄る。
キーのストラップが音を立てないようにエンジンをかけた……
つもりが、何度キーを回しても相棒はいつもの唸りをあげなかった。
『ザー……_なにかお困りかい?レディ_』
ビクリと体が跳ねる。
深夜3時にざらついたラジオで話しかけられるなんて、ホラーかと思ったわ。
そろりと振り返ると、シボレーカマロ…またの名をバンブルビーが、ヘッドライトを付けていた。いつから起きていたんだろう。
「……ただのエンジントラブルよ。仕方ないから歩いて行くわ」
『ガー…_嘘だろ?__いいから黙って乗れぃ!』
「冗談でしょ」
言われそうなことを避けるために、先手を打ったのに、カマロは私を乗せる気満々のようだ。
運転席のドアがひとりでに開き、その光景にゾッとする。
ちなみに私が非科学的な現象を信じないのは、幽霊やUMAといった類が怖いからである。
……けれど、不本意だけど彼の提案には一理ある。
ロサンゼルス郊外の治安は中心街より比較的良いが、夜に女ひとりでスーパーに行くのはやっぱりまだ危険な風潮がある。
私がディセプティコンに顔を見られているというのも、彼の意図には含まれているのかもしれない。
危険人物も怖いが、彼のような巨大な生物に叩き潰されてジ・エンドなんて最悪だったので、渋々ヘルメットを脱ぎ車に乗り込んだ。
もちろん、ドアはひとりでに閉まった。
『_どこへ行こうというのかね?__……ザザ』
「……ウォルマートまで」
『ザザ_はいよ大佐_……』
近所迷惑にならないくらいの音量でカマロが唸る。
触ってもいないのにハンドルが動いてウィンカーが出るというのは、どうにも気が休まらず、窓を開け夜の冷たい風に当たることで何とか気持ちをごまかした。