So, I say again /Optimus
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「好きです。オプティマス。ずっと前から」
私を持ち上げている金属の手がぴくりと震え、目の前のカメラアイが数回瞬いた。驚いているようだ。
それもそうだ。これまでずっと、この気持ちを本人にバレないように押さえつけていたんだから。
誰もいないNEST基地の滑走路に、大きな影が伸びる。これ以上ないくらいロマンチックな夕焼けだ。
思わず告白してしまったのもしょうがないと思う。
オプティマスが1度死んでしまったのも私の勇気を奮い立たせた原因だ。
困ったように《ああ…》だとか《うーん》とか言っていることさえ、彼が生きている事の証明をしていて胸がジンと熱くなる。
《……すまないクイン。君の気持ちには答えられない。無理なのだよ、私は機械生命体で、君は人なのだから……》
「……そう言うと思ってました」
私の言葉に、オプティマスは顔を伏せた。
トランスフォーマーはやっぱり人間よりも人間らしいんじゃないかと、こういった仕草を見ると再確認してしまう。
思慮深い彼らしい断り方のせいで、振られたというのに心臓が甘く鳴ってしまう。
そんな所が好きなんですよ。
《……クイン。例え形が違っていても、私は君を好いている。
…こんな事言うのはおこがましいだろうが……どうかこれからも、我々の……いや、私の仲間でいてくれないだろうか?》
大切な話をする時はこうやって目線を合わせてくれる。そんなところも……。ああ、ダメだ。あなたを見るだけで、声を聞くだけで好きなところばかり見つかっていく。
答えは決まっていた。
「いやです」
《えっ、》
ブレインサーキットが高速で処理をする起動音が聞こえた。
私の言葉に傷ついたのか、それとも裏の意味まで理解しようとしてるのか。それは彼にしか分からない。
でも私の言葉にも気持ちにも、裏表なんてものは無い。ただ思っていることを言い放っているだけだ。
「いやです! 私は、貴方のメモリー装置に記憶された内の一人ではなく!唯一の、クイン・ベルとして扱ってほしいんです!」
《いや、しかし……》
「貴方を困らせるのはわかってます。でももう、抑えきれない……伝えきれないまま、貴方に私の気持ちを知って貰えないうちに生き別れるのなんてもう嫌なんです……!」
《クイン……》
「オプティマス、だから私は何度でも__」
突風で私の声がかき消される。
でも口の動きから彼に言葉は伝わっていた。
またブレインサーキットが重々しく働く音がしたから。
この行為は完全な私のエゴだ。
でも、それでもいい。
貴方が生きている間は、私の心臓が動く内は、永遠にこの愛を伝えさせて欲しい。
後悔は、もう二度としない。
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fin. So, I say again