私を月へつれてって/*Jazz
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ぴったり合わさった唇を離すと、彼女は鳩が豆鉄砲くらったような顔をして、次に赤くなった顔色を隠すために俺の胸に顔を埋めた。
「……ずるいわ」
「ははっ。クインが可愛すぎてさ」
照れる彼女を宥めるようにつむじにキスする。
幸せだ。戦場で何度も死にそうになったのが夢のようで、こんな日々が永遠になればいいと思う。
……もし、もしも。
俺たちを引き裂くような何かが現れたら、俺はそれを、どんな手を使ってでも壊すだろう。
でもキミが、俺から離れたいと言ってしまえば、俺は自分の感情を殺してでもキミの願いを叶えたいと思うに違いない。
クイン。だからさ、
「ずっと俺の傍にいてくれよ。」
不安を悟らさせないように、軽い言葉に思ってくれるように零した。
キミの気持ちがなによりも大事だから。
「……当たり前よ。置いていくって言われたってついて行くわ。貴方の行くところが月であってもね」
「ふふ、そんなこと言うわけないさ。マイクイーン」
見つめあったそばから彼女が瞼を閉じる。
俺は花の蜜に誘われたハチドリのように唇を重ねる。
そんな時間をしばらく過ごした。
窓から差し込む月光は、眩しすぎるくらいに青白かった。
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fin. 私を月へつれてって