ワンナイトモア/*Optimus
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翌朝、小鳥のさえずりに目を覚ますと、私はあまりの光景に自分の目が信じられなくなった。
なんだ、まだ夢の中か、と思い込んで頬をつねったところで、目の前の大きな胸板と背中に回る腕は消えてくれない。ていうかここどこ。
目の前には一糸まとわぬ姿で、鍛え抜かれた体を晒すオプティマスが。
私は彼に抱え込まれるような体制で、ダブルベッドの中にいた。私たちを包む真っ白いシーツからは陽だまりのような良い匂いがした。
ああ、オプティマスか。知らない人とワンナイトしちゃったのかと思ってびっくりした。
そう胸をなでおろして眠り直そうと、肌寒さから彼に身を寄せた所で一気に眠気が覚醒した。
「っ?!!!、」
咄嗟に叫ぼうとして、でも喉が枯れていたせいで声が出なかった。
まさか、とシーツに隠れた自分の体を見下ろした。
抱き込まれてしまい中々自由が効かなかったが、脚をばたつかせてシーツを蹴飛ばす。
なんとか自分の体を露わにし、状態を確認する。
そりゃ寒いはずだ。裸のオプティマスと同様に、私も素っ裸だったのだから…。
いやいや、でも最後までしたとは限らないしと心を落ち着かせようとしたがベッドの上に使用済みのゴムやティッシュがいくつか散らかっていたためそんな現実逃避もすぐに打ちのめされた。
夢だけど夢じゃなかった、というやつだ。
顔を両手で覆って、声を出せない喉の代わりに心の中で何度も叫ぶ。
しちゃった!!!!ワンナイト!!
ほとんど知らない人とやっちゃった!!!!うわぁぁぁあ!!
知らない人に易々と体を明け渡し、尚且つ昨夜は彼の前で自分が乱れていたなんて事実今すぐにでも忘れてしまいたい。
けれど神様は残酷だ。
私がシーツをどかしたせいで寒がったのか、身震いをしたオプティマスが目を覚ましてしまったのである。
「クイン……」
「あ、は、ハイ、」
「……フッ」
「?!!」
数秒前の私のようにまだ寝ぼけているのか、それともわざとなのか。
彼はそのイケメンすぎる顔を優しく微笑むように緩めると、ゆったりとした仕草で私の髪を撫で、唇にキスを落とした。
あんまりにも堪能するように唇を食んでくるものだから、私は昨夜のことを思い出してしまってキスの気持ちよさにくぐもった息を漏らしてしまった。
顔が離れ、忘れていた呼吸をする。
肺に酸素が流れ込んでくる。
オプティマスは澄ましたような顔で平然としていて、シーツを元の位置に戻すと再びまどろみ出していた。
心臓がドキドキとうるさい。
少し髪の乱れた彼の、さっきの顔が頭から離れない。あんなの反則だ。
唇に指で触れて、悪くないかもと思ってしまっている自分の貞操観念の低さにがっかりするけど、完全に瞼を閉じてしまったオプティマスにつられて私も眠くなってきてしまったからそれ以上考えるのはやめることにした。
次に起きたら彼に聞いてみよう。
「また会えませんか?」って電話番号を。
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fin.ワンナイトモア