倒錯的殺害予告/Barricade
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「クイン〜一緒にたべよ〜…て、うわっ……また?」
「うん……」
食堂で親友を見つけたブレンダはランチの乗ったトレーを持って彼女の後ろから声を掛けた。
椅子に掛ける親友の隣にトレーを置いた拍子に彼女……クインが手に持つ手紙が目に入ってしまい思わず苦々しい声が出た。
親友が大好物のBLTサンドに見向きもせず、顔を青くしてぐしゃぐしゃになった紙を見下ろしているのには理由があった。
「あっ」
「"お前が通う学校を突き止めた。いつも見ている。バイト先の男とは縁を切れ。お前と一緒に殺してしまいたくなる"って、何よコレ!酷いわ!……ねえ、大丈夫?」
「……」
黙り込んでかぶりを振ったクインに、ブレンダは心の底から自分の行動を後悔した。
日に日に顔色を悪くするクインを元気づけてあげたくて、手元から忌まわしい紙切れを取り上げたのに、常軌を逸した文面を思わず読み上げてしまったのは軽率だった。
慌てて隣に腰かけ、俯くクインの背中をさするが、彼女の表情は芳しくない。
「まだ警察には相談してる?」
「うん。でも実害が無いうちは巡回ぐらいしかできないって……」
「そっか……不安だよね」
「うん……」
半月前から
愛を囁いていたはずの紙面はいつの日からか、"殺す"といった物騒な文字で脅迫的に仕上げられ、盗撮写真に+αとして小動物の死骸を家の前に置かれていたり……と口に出すのも不快で、普通の人間ならしないようなことを、クインは粘着質にされているのだ。
被害に遭いはじめてまだ日が浅かったころから相談を聞いて、大体の事情を知ってはいたが、話を聞けば聞くほど、犯人の行動が知能的で悪質に思う。
悪趣味な嫌がらせは警察がギリギリ動けないようなラインに留められ、こちらは一貫して耐えるしかなく、自分も彼女を決定的に助けてあげられないという状況にブレンダは歯ぎしりをした。
「クイン。私はいつでもあなたの味方だから。困ったらいつでも電話して。すぐに飛んでいくわ。なんなら私の彼氏と私で、あなたのボディガードをしたっていいわ!私たちジムで出会ったんだから、腕っぷしには自信あるのよ!」
「あはは!それは心強いね……ありがとう」
「もう!本気なんだからね!とりあえず今日は3人で帰るわよ!いいわね!」
「はいはい」
力無い笑いではあったが、近頃は滅多に見れていなかった親友の笑顔にほっと胸を撫で下ろし、ブレンダはクインをぎゅうっと抱きしめた。