キケンな毎日を貴方たちと/Megatron, Starsceam
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メガトロンが溶け、人間から解放されてから、ディセプティコンの隠れ家はいっそう重苦しい空気が漂うようになった。
もとからディセプティコンみんな、特段仲がいいという訳でもなかった上に、"超俺様!気に入らないことがあったらぶっ潰す大帝"が加わったモンだから、メガトロンを心底慕っている、トランスフォーマー以外はそこら辺にあるコンテナやら何やらを蹴っ飛ばすのだ。
《クソッタレが!!》
ガコーンッッッ!!!
ディセプティコンで唯一メガトロンを慕っていない航空参謀が、置いてあった廃材を蹴り上げる。
赤錆だらけの鉄骨は大きな音を立てて、私が横たわっているコンテナのそばに落下した。
ドスーンと遅れてきた風圧が前髪を煽ったため、頭に来て読んでいた本を投げ捨てて抗議する。
「ちょっと!八つ当たりするなら外でやってよ!スタースクリーム達とちがって、下敷きになっただけで私死んじゃうんだからね!」
《ああーーっ!やかましい!鉄骨の下敷きになる前に俺が踏み潰してやる!》
「はあー?出たよ、スタスクのやるやる詐欺!やれるもんならやってみなさいよ!結局あなたには出来っこないんだから!」
《ぐっ……!!》
スタースクリームの体のパーツがピキピキと音を立てて駆動している。イラついている時のサインである。
《覚えてろよ……メガトロン様がペットに飽きたら、俺が貴様を殺してやる……》
「無理よ。少なくとも私の憎しみが消えるまではね」
私の言葉に、スタースクリームのピキピキ音が止む。なにか考えているようだ。
《……ふん、お前が人間を憎まない未来など訪れない》
「……もしかして、気遣ってくれた?」
《そんなではない!!たくっ!調子に乗りおって…これだから下等な生き物は…………》
スタスクは食い気味に答えると、ブツブツ文句を言いながら背を向けた。
メガトロンにボコボコにされるついでに、新しい任務を言い渡されていたから、それに向かうんだろう。
「ねえ!スタースクリーム!」
《今度はなんだ!》
苛立ちを隠せていない怒声で振り返った彼の足にキスをひとつ落とす。
従者のように頭を垂れた私を見て、彼の体が驚いたように軋んだ。
「行ってらっしゃい!」
挨拶のキスだった。
本当は足になんかしたくなかったけど、ロボットモードの彼の顔ははるか遠くだったので妥協したのだ。
《チッ》
「舌打ち?!そんな子に育てた覚えはなくってよ?!」
《黙れブサイク!!》
ガキンガキンと派手な金属音を立ててスタースクリームは隠れ家を出ていった。