手合わせ願います/+Jazz
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《はっ!やあっ!!》
《おっと、今のは惜しかったな。でもこうすると……そらっ》
ビュンビュンッ!!
《わっ?!!》
《……こんなことも出来るんだぜ》
NESTの格納庫内で、地面スレスレの逆さまになりながら師匠の顔を見上げる。頭を擦り着けそうだ。
キャットウォークの上から私を見下ろすジャズ師匠は、意地悪そうにニヤニヤしている。 今回の賭けで、勝った方が洗車してもらえると決まっていた為、先日の任務で体を汚してしまった分張り切っていたんだろう。
《さー!今日の戦闘訓練は終わり。お前レッカー車だし、力も体も大きい分、隙がデカイんだよなあ。もっと相手の出方を予想して動かないと、またリペア送りにされちまうぞ》
《う……恐縮です》
以前任務で損傷した際、ラチェットに
彼の腕は本当に素晴らしいのだが、如何せんクレイジー過ぎるのだ。
師匠が止めてくれなかったら、身動き出来ないのをいいことに腕がロケットになっていたかもしれない。
《そのお堅い態度も、いい加減なんとかしてくれないか?》
《あなたは私の師匠で、副官でもありますから。少なくとも勝てるまではこれで行きます》
《肩の力抜けって! ま、いいけどさ。下ろすぞー》
彼の右腕から特殊磁力の反応が消えていくと、その手に掴んでいたワイヤーが緩まっていく。
ワイヤーは私のレッカーするフックに繋がっており、そのフックは自分の足に絡みついている。私は今まで、自分の体の一部で足から吊るされていたのだ。
そうつまり、彼が私を吊るしていたワイヤーから手を離したため、私は頭から落下したのである。
ゴチーンと派手な音を立てて落ちると、武器の手入れをしていたアイアンハイドがこちらを一瞥したが、すぐに目線を元に戻していた。
《悪い!手が滑ったー!》
彼の性格からしてワザとで無いことは知っていた。
《問題ないです。痛覚センサーを切ってましたから》
《そういう所は抜け目ないんだよな》
《恐縮です》
キャットウォークから飛び降りて華麗に着地したジャズ師匠。相変わらず動きが軽やかだななんて思う。
手合わせ中、密かに録画していた師匠のVTRを確認する。敵にレッカーする部分の腕を掴まれて、映像の彼のような動きをされたら、戦場で私は死んだも当然である。
次の戦闘訓練までに、このVを活用して戦闘パターンをシミュレーションしておきたい。
《また撮ってたのか?》
《はい。師匠は、私の弱点をすべて凝縮したような戦闘スタイルですから》
《真面目だね〜》
じゃ、俺洗車行くからっ!
と、言い残してソルスティスになった師匠は足早に去っていった。
マシンガンのように素早すぎる師匠に