だから踏み込んだらあぶないですよって

「ええ、にくたらしいですよ」
「え、今、何て?」


「触られるのも、本当にだめだったのですが。慣れてしまいました。いうことをきいていればすぐでしたから」


 普段通りの柔らかい声音で、柔らかい笑みで宵ノ進は言った。
 けれども、その眼は、そんな水の底のような眼は、知らない。



「羽鶴様、あなたはどうか、こうなりませんよう」





 あ、今、傷つけた。
1/1ページ
スキ