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ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
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声の正体は由佳だ。
由佳「白布くん!自主練するならタオルとドリンク用意しようか〜?」
一気に距離を詰めて気が利くマネージャーを演じている由佳
男子には、頑張ってサポートするマネージャーが効果的でも思ったのかな…
白布「…じゃあ、お願いします」
白布さんは一瞬だけ私を見たあと由佳に頷いた。
たった一瞬
それだけなのに、白布さんの周りにある空気が変わった気がした。
由佳「よかった!実はもう作ってたんだ〜!あ、その前に夢主、ちょっと…着いてきて。」
着いてきて。
白布さんから私の方に振り向いた時、声が低くなったのが分かった
足を動かすより前に由佳に腕を掴まれた。
そのまま体育館から出て、抵抗する間もないまま連れていかれる
外はもう日が落ちかけていて、夕焼けが綺麗だった。
体育館とは打って変わって静かで、人目のつかない場所
そこで由佳は、閉ざしていた口をやっと開いた。
由佳「なんなの…」
ギュッと拳を握って俯いている。
表情は分からないけど、
由佳「男にちやほやされてさ、調子に乗って…!」
由佳「男子の気を引くためにワザとやってんのか知らないけど、男に興味無い振りしてんのもウザイよっ!」
由佳「なんで由佳がアンタの引き立て役にならなきゃいけないの!?」
鋭い目と、冷たい声で私に向けられる暴言の数々。
こんな事、直接言われるのは初めてで身体が固まる
由佳「由佳より地味だった癖に。アンタ見てるとほんとに腹が立ってしょうがない」
近付いてくる由佳
一歩一歩に力が入ってて、目の前に来てすぐ私は肩を強く押された
『…っ!』
身体全体を地面に打ち付けないように手で庇ったけど重力には逆らえなかった。
痛いと口にだして言いたい
でも言ってしまうと、由佳の思い通りになる気がして嫌だった
絶対手、擦りむいちゃってる
下半身と肘は長袖長ズボンだから擦りむいてはないと思うけど所々痛む
その痛みに無意識に顔が歪んだ。
由佳「自業自得だよ。」
最初から最後まで冷たい目と冷たい声
由佳は逃げるように体育館に戻って行った。
ずっと、私は由佳が羨ましかった。
私より後からマネージャーになったくせにメンバーともすぐに仲良くなって
私より、大事にされてきたじゃん。
引き立て役…?
その役は、私もやったよ。
男子に興味が無い訳じゃない
でも、特別好きでも無い。
そもそも私達は選手をサポートする為にここにいるわけで、男に媚びを売りに来たんじゃない
私が清水さんや谷地さん、由佳に嫉妬していたように私も苦しかったんだよ。
何も知らないくせに。
知らないから私にこんな事できるんだよ…
今この状況が自業自得なら
由佳だって、
自業自得だよ。