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ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
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大丈夫か、どうした何があったと異変に気付いて集まる選手達。
突然の事で、瞬きする事すら忘れて痛いと喚く由佳をただ呆然と見ていた。
及川「ちょっとどいて」
動けずにいた私は、騒ぎに駆けつけた及川さんに強引に押されて尻もちをつく。
血の気が引いていく
周りが見えなくなる
部活の時に転けて出来た内出血した肘と膝に激痛が走る
この後由佳は、私に押されたって選手達が大勢いる中で言うんでしょ…?
由佳に手を貸しているのが見える。
じゃないと、私を此処に連れてくる意味ないもんね
由佳「頑張りすぎちゃったみたいで、身体が支えられなくて…!すいません!」
及川「休憩した方がいいんじゃない?って言ったばっかじゃん!」
由佳「選手のみんなを支えたくて!」
何それ、、。
わざと倒れたと思ったら、そんな嘘をすらすらと並べて
全部演技なの知ってるよ
自分は倒れたりするくらい仕事してるし選手の事を思ってますって好印象に見せたいんだよね
私がいる時に。
そして選手達からチヤホヤされてる姿を1番近くで私に見せつけたかったんだ…
だから、私に押されたなんて事をいわなかった
澤村「何があったんだ…って、田口大丈夫か?」
菅原「顔色悪いべ」
由佳「大丈夫ですよ〜」
澤村「ここは甘えて休んだ方がいい」
顔色悪い、か
私と目が合った時、元気良さそうに笑ってたけど。
それは何なんだろう
痛い
冷静になってきてから、打ち付けられた肘と膝の痛みが蘇ってくる。
早く、立たなきゃ…
他人から見れば、体調の何処も悪くない私が座り込んでるのは不自然なんだから
分かってるのに、
痛みと震えで立てない
唇を噛み締めて立とうと足に力を入れた時、ふわっと身体が立ち上がった。
状況が理解出来なくて混乱する
身体が温かい
誰かが触れてるから…?
黒尾「お怪我はありませんか……お嬢さん。」
頭上から聞こえた声。
聞き覚えのあるその声の正体は、音駒の主将である黒尾さん
夜久「カッコつけても様になってないんだよ」
黒尾「たまには女の子の前でカッコつけたいんですー」
『あ、あの…』
夜久「あぁ、ごめんな?此奴橘さんがタイプらしくて。変な事されてない?」
『いえ!寧ろ助かりました』
黒尾さんから支えてもらっている手からさり気なく離れてお礼を言う
黒尾さんの後に来たのは夜久さんって名前らしく、2人で何やら言いあっている
痛みが治まるまでまだ少しかかりそう。
夜久「本当の事言っただけだけど」
黒尾「だからそれを目の前で言うのは俺聞いてないんですけど!?」
夜久「照れんなよー」
間に入って止めに行くのも私には無理なので体育館の壁に寄りかかって痛みが治まるのを待った。
でも黒尾さんのお陰で助かった。
由佳に皆の視線が集まっている間に端に行けたから
ふぅと一息ついて膝に向けていた視線を上にあげた
『…!』
その時バチッと目が合った。
鋭くて、でも柔らかい猫みたい瞳
目が合ったら怯えるように、すぐ目を逸らされた。
孤爪「……」