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ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
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「いいんですか…?」
『マネージャー、なので。』
綺麗な黒髪で切りそろえられた前髪が印象的な人
試合が終わったばかりで汗もかいている。
自分の部員のスクイズボトルを回収して回ってたから1年生なのかな
由佳が謝るだけでドリンクを作りに行こうとしないから、拭う暇もないまま走ったんだね
「有難うございますッ!」
『折角の休憩なので、身体を休めて下さい』
持っていたタオルと飴玉をあげると彼は目をうるっとさせて小さな子供みたいに笑った。
姿勢綺麗すぎでしょ
どんな人だろうって怖かったけど、凄く話しやすい
純粋で真っ白って言葉がよく似合うような彼に、つい私も笑みが溢れてしまった。
白鳥沢全員分のスクイズボトルと粉を受け取り、急ぎ足で水道に向かった。
***
天童「工はそんな所にずっと突っ立って何してるのー?」
五色「……」
天童「あれぇー、そう言えばドリンクは?」
川西「ドリンクなら橘さんが代わりに作りに行きましたよ。」
由佳「本当にごめんなさいっ。新しく作ろうと思ってて、忘れちゃいました」
牛島「合宿は初めてなんだろう、気にするな。」
ドリンクを作りに行こうとしていた五色がその場で立ち止まったまま動かない事に気づいた天童は不思議に思って顔を覗いている。
それに続き集まる白鳥沢のメンバー
夢主が代わりに作りに行ったと聞いた由佳は焦ったように何度も何度も頭を下げた。
ギュッと拳を握りしめてーー
周りにいる白鳥沢メンバーに頭を下げて顔が見えなくなっていた時の表情は本人にしか分からない。
白布「お前、なんかあったの?静かなの気持ち悪ぃんだけど。」
瀬見「まさか熱中症かー?ここに座れよ」
タオルで汗を拭いながら目を細めて面倒くさそうにしている白布
でも実際は心配してるのか、五色からの返答を待っている
天童「ほら汗拭きなよ。」
「前髪が張り付いてるよ」と五色の手に握られていた新しいタオルで拭いてあげようとする
川西「飴玉?そんなのいつ貰ったんだよ」
そう、五色はずっと夢主から貰った飴玉を眺めていたのだ。
五色「烏野のマネージャーから貰いました」
顔を上げた五色に白鳥沢メンバーが注目する
烏野のマネージャーと聞いて由佳に視線が集まるが、すぐに五色に戻される
天童「へぇー、それで工はその子が気になるんだ。」
白布「(飴玉たった一つ貰っただけで単純な奴。)」
五色「あの人、俺に気があるんだと思います!」
「「は??」」
初めてプレゼントを女子から貰った五色は夢主が自分に気があると勘違いしたのだ。
自信満々な顔をして言う五色に白鳥沢は呆れるしかなかった。
たった飴玉一つ。
それを貰ったからといって夢主が五色に気がある訳ではないって事に気付いているメンバーはあえて何も言わなかった。
牛島「そうか。」
一人を覗いて。