お名前を入れるとより楽しく読む事が出来ます
ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
夢主設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
愛されヒロインか
響きは良い
合間合間に読んでいた恋愛小説の記憶が脳内で流れだす
物語の始まりから登場する女の子主人公
生まれた時から端麗な容姿を神様から授けられ最終的には好きな人と結ばれる未来をお約束されているヒロイン
パッとしないのは気の所為なんかじゃない。
生まれた時から私は "本物"とスタートラインが違っていた
生まれた時からだ。
ヒロイン気質を持っていない人間は、自らその場所に行かなければならない
歩いて行くか 走って行くか
立ち止まるか それとも行かないのか
そうやってお約束されていない人間は沢山の壁にぶち当たりながら進んで行くんだ。
私が、パッとしないと思っているのは…。
どう頑張って足掻いて上り詰めても、"本物"にはなれないから。
それは偽物"になった今だから気付いた事
皆話しかけてくれる
気にかけてくれる
チヤホヤしてくれる
褒めて 笑って 守ってくれる
全部全部 私が望んでいたもの
叫んで喜びを吐き出したいくらい
それでも戸惑ってたのは…
私が"偽物"だと思ったから。
菅原「取り敢えず、保健室行った方がいいべ。開いてるか分かんないけどなー」
心配しつつも、ははっと笑う菅原先輩
その笑顔 その言葉
全てが私に向けられている
夢でも妄想でも無い現実
由佳じゃなくて 私という存在を見てくれている。知ってくれようとしている
だから、神様には感謝しないとね
"本物"になれなくても
"偽物"でも
此処に来れたんだから。
『ただの内出血ですし…。保健室は大丈夫です、』
人見知りで目立つのは嫌い
目を見て話すのは苦手
ヒトに直接言えないだけで口は悪い
本当のヒロインとは程遠いかもしれない
でも今は憧れてたこの場所を味わってみよう。
そうだよ
"偽物"だっていいじゃないか
私は 私らしくいよう
乱れつつあった気持ちを切り替えたら、少しだけ楽になった
烏養「ったく、ちゃんと足下見れよ?」
『はい、本当にご迷惑お掛けしてすみません。あ、私モップ持ってきますね』
由佳「夢主!床なら私が拭いとくよ…。私も手伝いに行けなかったのが悪いしね?」
申し訳なさそうに謝る由佳
その目に光が宿ってないように見えるのは気の所為だろうか。
いいや、気の所為じゃない
青いカラコンがされた眼は次第に細められて鋭くなっていく
私は悟った。
由佳は完全に私を陥れようとしている。