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ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
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ああ、やだ。
ジロジロ見ないでくれるかな
表向きは冷静を装いつつも中身は乱れ過ぎてる所じゃない
「転校生?」
「あんな人居たっけなー」
「あの子可愛いじゃん」
ヒトの視線を全部スルーして早歩きで靴を履き替える
まだ直接話し掛けに来てないだけマシかな。
階段を駆け上がって自分の教室が近付いてくると、更に心臓は激しく運動をし始める
あ、教室へ向かう途中の廊下で田中くんと西谷くんがいる
部活の事でも話してるのかな
気付かれたくないから自分の足元を見て通り越した
何も声を掛けられなかったから多分バレてない。あまり部活以外で会うことないからビックリした
西谷「…見たか、龍」
田中「あぁ。見たぜノヤっさん」
「「何とお美しいんだあぁぁぁー!!」」
『ビクッ)……!』
いきなり叫び出すからビックリした。
はあ心臓に悪い
気づいてない振り気づいてない振り
私得意だもん
大丈夫だよ
入ってしまえば、もう何も感じなくなる
入学式の時もそうだった。
ものすごく緊張するのはその日だけ
と、言いたいところだけど私にはそれが出来ない
ヒトの前で発表する時とか、授業中当てられた時とか男子に話しかけられた時とか
何度繰り返しても、それに慣れることはないと思う
でも、
それでも
ヒロインという女の子に憧れた。
小説の中に出てくる女の子は、とても愛想が良くて、仕草や笑顔が可愛くて誰もを魅了させてしまう
嫌な事されても、何一つ悪口を言わない。誰にも聞かれる事がない心の中でさえも…
私はそんな完璧なヒロインにはなれない。元々ヒロイン気質でもないしね
話す事が苦手
ヒトと関わるのが苦手
ヒトが大勢いる場所が苦手
ヒトの視線が苦手
目立つのが嫌い、大嫌い
ヒロインとは真逆
でももうここまで来てしまった。
逃げようにも逃げられない
本当は、"気付いてない振りをして"自分でもこうなる事は予想ついてたのかもしれない
だけどそれを置き去りにしてここに立っているのはこのままじゃ何も変われない、逃げたらダメだと心の何処かでは分かってたから
ヒロインじゃない、モブ以下の私だけどヒロインに憧れたっていいじゃんか。