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ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
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そして私は次の日もその次の日も、可愛くなるために努力をした
もちろん部活も休むことなく。
薬を1週間3食分飲んで
薬用塗薬の痛みに耐えて
ダイエット
顔のマッサージ
髪の手入れ
メイクの仕方
挙げだしたらキリがないくらい
毎日毎日、決めた事は欠かさずにやり遂げた
『変われたかな…』
鏡に移る自分を見つめる。
あの時とは全く違う自分
新しい、自分。
ニキビが治るまで、顔全体のメイクはお預けだったけど肌の調子も前と比べて格段と良くなってたからナチュラルメイクをしてみた
目元だけは暇な時に練習してたから、案外上手くいったと思う
って言っても薄いアイシャドーを瞼に乗せて睫毛を軽くあげただけ
でも、
それだけでも顔が明るくなった気がした
時計を見るとまだ登校時間まで余裕ある。朝練も今日は休みだから
あと髪だけだし、ゆっくり準備出来そう。
クローゼットの引き出しから、お母さんに買って貰ったヘアアイロンを取り出して電源を入れる
温度調整が出来る結構いい値段のやつ。
初めてヘアアイロンを使った時は温度が高すぎて指とか火傷してたけど、それも何度も繰り返していくうちに慣れていった
いい感じに髪全体にアイロンが行き届いたのか寝癖も目立たない
目の前にあるゴムを手に取って結ぼうとしたところで手が止まる
『……いらないか。』
いつもの癖で手に取っていたそれをテーブルの上に置いた
時計は午前7:40を指している
丁度いい時間帯だ
制服に腕を通し着替え終わったあとドキドキと高鳴る胸を抱き家を出た。
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20分くらい歩いて校門が近付いてきてから気付く。
私、由佳や陰口言ってた一軍女子達を見返したくてこんなに頑張ってたけど、居るのはソイツらだけじゃなくて他にも在校生が居るという事を忘れてた…。
昨日まで髪は下に結んでたし、前髪整えてなかったしメイクしてないし
いきなりこんな見た目で教室に入ったら「誰!?」とか思われそう
それでめっちゃ見られそう。
どうしようどうしようどうしようどうしよう
そんなの全く考えてなかった。
私のバカ
あ、そうだ今すぐに髪を下に結ぼう。そうと決まればゴム
ゴム、ゴム
ゴ……ム。
馬鹿バカばか
テーブルに置いてきたんだった
どんな顔して行こう
さっきのわくわくドキドキとは打って変わって心臓がうるさい
心臓に手を当てると物凄い速さで動いてる。
…もう仕方ないよな
大きく深呼吸をして痛い胸を抑えて嫌々ながらも校門をくぐった