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ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
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本当に素の声だったと思う。
一瞬、間を空けて「え。」と可愛げ無い声で言っちゃったのが恥ずかしく感じる
山口「あ、いや別に何もないならいいんですけど、何かフラフラしてて倒れそうだなって思っただけで!」
私がきょとんとした顔で何も喋らないからか慌てて言い換えてた。
出来るだけ気付かれないように皆の視界に入らないようにしてたし、倒れないように地に両足をしっかり付けてたんだけど
山口くんは気付いてたみたい。
『確かに本調子ではないけど、対した事ないから平気かな、』
すごくすごく、嬉しかった。
私の異変に気付いて声掛けてくれたのが。
だけどあと少しで部活も終わるしどうって事ない
ただの副作用だから
それにここで山口くんに「身体がきつくて倒れそう」なんて言ったらすぐに澤村先輩とか清水さんとかに話が回るだろうし
目立ったら由佳にまた何かされそうで嫌だからこの話はこれでおしまい
『山口くん、この前も今日も手伝ってくれてありがと…。』
山口「…俺がしたくてしたんでそんなの大丈夫ですよ!」
まだ何か言いたそうな山口くんだったけど私はドリンクの入った籠を持ち直した
その後に続くように開きかけた口を閉じて山口くんは足を動かして重い籠を持ってくれた
何も言わずにさりげなく重い籠と変えてくれた行動にぽっと心が温かくなった
体育館に向かってる時も目眩がして気持ち悪かったけど
この辛さと苦しさは
私が変わるための第一歩だと、残りの時間までマネージャーの仕事をこなした。
***
部活が終わり帰る時間帯
着替え終わった部員達は相変わらず「由佳、暗いから送ってやる」「今日もマネ仕事お疲れ様」とか言って由佳を囲んでた
知らないもんね。
マネ仕事お疲れ様って、なんかしてたっけ?ほぼほぼ応援だけだったけど。
まともにしてたのタオルとドリンク配りだけだったよね
本人がもう真面目にマネージャー仕事をする気がないなら辞めて欲しいんだけどな。
居るだけ邪魔だし…
あんなに大人しそうで私と同じ地味目だったのに男好きってタチ悪いよ
由佳「山口くん!今日私も一緒に帰っていいかな!」
山口「…えっ!俺は、大丈夫だけど」
月島「……はぁ」
山口くんに聞いたのは断れないの知ってるからだろうな
月島くんは明らかに嫌そうな顔してるけど。
そんな会話を横に流して、私は急ぎ足でその場を去った