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ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
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朝練の時目が合っても、教室に向かう時も、由佳は先程の発言以外私には話しかけてこなかった
せっかく精神的に休まってきていた所だったのにさっきの事でまた胸の中が騒がしい
自分の席に着くと、時枝のあのうるっさくて大嫌い奇声と由佳の笑い声、そしてそれを囲むように話してる周りにいる取り巻き達の声が一気に耳に入ってきた。
また、気にするようになってきてる
ダメだダメだ。
小さな声で話してる事も全部私の悪口に聞こえる
これじゃ、逆戻りなのになあー。
溜息をついて担当の教師が来るのをまだかまだかと待った
朝のHRが終わると、1限目まで小休憩
皆それぞれ、授業の準備をしたり友達と話してたり集団でトイレに行ったりしてるみたい
私からしたらその小休憩の時間さえ地獄
由佳に目を付けられた
その事実が頭から離れなくて、またこの空間が窮屈に感じる
関わる人が違うだけでこんなにもヒトは変わっちゃうんだ
あんなに人見知りで話すこと苦手ですーって感じだったのにね
斜め後ろから1人ではない視線を感じる。
耳を澄ませば斜め後ろから「橘」という私の苗字が聞こえた
その数秒後、汚い笑い声が教室中に響く
はっきり聞こえなくても、今のは私の事について話してて笑ったんだろうなって分かる
皆に見えないように机の下で拳にギッと強く力を入れた
無意識に舌打ちしそうになった。
うるさいうるさいうるさい
これから何か嫌がらせをされるのかなという恐怖と集団でしか悪口言えない馬鹿達という感情が駆け巡る
誰にも言えないこの怒り、この感情
持っていたシャーペンを白い用紙に押し付けた。用紙に押し付けられたシャー芯は黒く滲んで粉々になった
早く、早く変わりたい
私の事馬鹿にして、楽しそうに笑っていられるのも今のうちだよ
悪口を言われたらどうやら私は、恐怖より怒りの感情の方が勝つみたいだ
その怒りが私に火を付ける
ああ、早く家に帰ってメイクの練習やら髪のケアやら肌のケアやらしたい
いつの間にか、前向きな考えになる
私って単純なのかもね。
アイツらの事を思い出すと本当にイライラしちゃう辺り、短気な部分もあるのかもしれない
でもその感情を由佳みたいに人にぶつけたりはしない
絶対負けないし絶対許さない
『…ふぅー』
心を落ち着かせるために深く息を吐いた。