お名前を入れるとより楽しく読む事が出来ます
ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
夢主設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
──○○.✕✕年.✕✕月✕✕日
宮城県立烏野高等学校に無事入学した私は新しい制服と新しい環境にわくわくと緊張、
2つの気持ちが混ざったままこれからお世話になる学校の門へ1歩踏み出した。
高校は中学と違って、隣駅や距離が離れたところから来る人もいるため周りの顔も見ない人ばかり
人見知りな私からしたら、見慣れない人達が多いのは友達づくりをする時にとても不利だと思ったが、逆に私はそれを利用しようと考えた。
今日初めて会う人達は、人見知りで静かな私の性格なんてもちろん知らない。
第一印象さえ、「この子明るくて元気だな」そう思わせれば私の高校生ライフは毎日楽しくて皆勤賞だって夢じゃないだろうと思った
所謂高校デビューってやつ
でも現実はそう甘くなかった。
下駄箱前に張り出された自分の名前の横に書かれている出席番号を確認して教室に入り、番号順の席に着く
周りは初めての環境だからか誰も喋らず、席に座ったまま動こうともせずシーンとしていた
その空気に呑まれるように、先程高校デビューだ、なんて舞い上がっていた気持ちは風に流されたみたい無くなった
担任の教師が入ってきて自己紹介をすると、次は生徒達の番がやってくる
担任「出席番号順から行こうか。じゃあ一番のー、
一番の安倍さんが立って自己紹介をし始めた。
一人、一人、また一人と順に進んでいく
自分の番が近づいてくる度に心臓の鼓動はどっくんどっくんと激しく音をたてる
橘夢主です
好きな食べ物は小倉トーストです
趣味は特に無いです
この一年間よろしくお願いします
何度も何度も脳内でリピートした。
ふう、緊張するな大丈夫大丈夫、一瞬で終わるから上がるな
”第一印象は大事”
心に余裕があった時は明るく元気で一軍女子みたいな感じで、と大きな事思えたのに、やっぱり私には無理だった
「田口由佳です─── ─」
あー、前の席の人が立った。
次私だ
落ち着け、落ち着け
外見では無表情で冷静で全く緊張してませんよ感を装いつつも中身は最悪
前の人が着席した。
私の番がやってきた
石のように硬くなった身体を無理矢理立たせて口を開いた
『橘夢主です好きな食べ物は小倉トーストですよろしくお願いします』
緊張すると早口になって頭が真っ白になってしまう。現に考えた台詞飛んだし…
座った瞬間に頬が熱くなるのを感じた。