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ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
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楽しそうに笑いながらお弁当を囲む男子達。
後ろ姿でも分かった
あの明るい髪の色をしたのは日向くんで黒髪の方は影山くん
他にも、澤村先輩とか菅原先輩、同い年の西谷くん、田中くん
珍しい、部員の皆で集まってお昼ご飯食べてるなんて
それだけならまだ良かった
部員の皆仲良いんだなあって、それだけで終わる事だったから
でもいたいんだ。
その中に。
私がずっと待ってた由佳が。
何かの見間違いだと思った
だけど何度見返しても、よく見てきた由佳の事を見間違えるはずもなくて…
鈍器で殴られた後に来る衝撃かのように頭の中がぐるぐると回る
ずっと、待ってたんだよ
由佳と一緒にお昼食べたくて、私は食べずに待ってたんだよ
それなのにバレー部の皆と。
〈意味が分かんない〉
〈なんで〉
なんだか、裏切られた気分
朝挨拶した時から、変な感じだったけど
由佳だから悪気はないんだろうなって軽く流してたのに。
『…………っ』
無意識にギリッと唇を噛んでいたみたいで、切れていた。
一人で食べた大好きなはずの小倉パンは血とまじってよく味が分からなかった
***
昼休みの終わりを告げるチャイムがなると、何食わぬ顔をして戻ってきた由佳
〈なんでバレー部の皆とお昼食べてたの?〉
〈一言言ってくれなかったの?〉
そんな事は聞きたくても聞けなかった。
私が休んでいた間、由佳を一人にしてしまっていたから
きっと由佳も一人の時、寂しかったんだろうな
私が免疫力高くて風邪なんて引かなければ学校を休む事もなかった
そもそもあの大降りの雨の日、傘が家の机の上にあるのに気付いていれば
こうなる事はなかったかもしれないのに。
私がいない間に、由佳は時枝達といる時間が増えて、仲良くなったんだろう。
初めはすごくオドオドしてたのに私と話すみたいに普通に喋ってて…
辛いよ
唯一友達だと言えるのは、由佳だけだったのに。
噛み合っていた歯車が
狂い出した