「あるよ」とだけ言ってルーズリーフを取り出して彼に渡した。





「サンキュー」と受け取ったのを確認して私は前に向き直した





それでも横からの視線は感じるわけで…




なに、もう用済んだんだからこっち見ないでくれませんかね。私園田くんみたいなイケメンで皆からの人気者って苦手なんだよね





はー、また話しかけようとしてる
話しかけるなお願いだから。





嫌でも横目で見えてしまう





席替えしたい
今すぐに





先生、1限目の授業から席替えしましょう。




出席番号順の席になって結構経つからさ





周りがうるさい人達に囲まれてるのは本当に息がしずらいです






私の願いなんて、叶うはずないけどさ。







優菜「おいえんだー、お前また女子に絡んでんの？ウケる！絶対橘さんウザイって思ってるよ、なあ橘さん」


『ぇ、嫌別に…大丈夫』


優菜「本当は思ってるよな？」






ガン無視で気付いてない振りをしてると、ちょうど由佳達が戻ってきた





確かに話しかけないで、とは思ったけどさ。私からしたら人の気持ちも考えないでそんな事を平気で言えるお前の方がウザイって思っちゃうよ





由佳も私と性格似てるのによくこんなヤツと絡めるよね





当の本人は自分の席に座って見てるだけだし





園田「オレ橘さんにルーズリーフ貰ってただけなんですけど！しかも"えんだ"じゃなくて"そのだ"な！」





はぁ、、、



















むりむりむりむりむり






喧しいんじゃ
早く自分の席につけ。
生理的に本当のほんとうに受けつけないこの人達














今だけ（ ・・）私の存在消してくれ




＊＊＊




昼休み





うるさくてまともに授業も受けられず、思わず舌打ちが出そうになるのを我慢しながら1時間あの場を耐えたぬいた自分を褒めたいくらいだ





これを毎日毎日やってんだから、褒めるくらいじゃ全然足りないけどさ。








それにしても由佳、まだ戻ってこないな





昼休みになったら、すぐ出ていったんだよね。
財布を持ってたから飲み物とかパンとか買ってきてんのかな





だとしても遅い





私の机の上には、まだ封を切っていない小倉トースト風の菓子パンと牛乳





由佳と一緒に食べたいもんね





帰ってくる前に御手洗に行ってこよう。
それでも帰ってこなかったら、仕方ないけど一人で食べるか





そして御手洗を済ませて、教室に戻る途中の廊下を通りかかった時中庭から聞き覚えのある声が耳に入る







私は衝撃的な光景を目にした