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ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
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放課後
ザーザーと降り出した雨
そう言えば、今日午後から雨降るって朝付けていたテレビからお天気予報のおねーさんの声が聞こえてたな
折り畳み傘を学校のロッカーに置いてるから問題ないと思っていた私が馬鹿だった
ついこないだ、邪魔だからって持って帰ったんだった。
今頃、私の部屋の机の上に置かれてるんだろうな
あれから時枝が由佳に話しかけてから、時枝とつるんでいる男女も由佳に絡んでた
それでも由佳は別れ際、私に笑顔で「夢主、今日は部活ないみたいだし久々にゆっくりしないとね!また明日〜!」と今日は雨が降ってるから親が迎えに来た車に乗って帰って行った。
由佳の言う通り、今日は体育館の点検とかで部活は休みだ
休みだと聞いて安心していた自分がいる
どうしても由佳と自分を比べて虚しくなるから。
雨が降る中、私はそのまま歩き出した
冷たい雫が制服を通って肌に伝わる
ここで、私がもしヒロインだったらイケメンと相合傘でもして帰ってたのかな?
制服や髪が着々と濡れていっても、そんなのどうでもよくて
ただ、
泣きたくなった
一度泣き出してしまったら、次から次へと溢れてとまらない
それは気持ちも同じだ。
今だけ、雨に感謝しよう
泣いても雨に流されて、それが涙だとわかる人は少ないだろうから
『はは、』
もう悲しいのか、おかしいのかわかんない
抱えてた思いがぐちゃぐちゃになって…
泣いてるのに、笑いすら出てきて。
もっと降れ
もっともっと降ればいいよ
私の心を現したみたいに。
どうやって帰ったのか分からない
気づいた時には足が家の前で止まってた
びしょびしょになった制服や髪からは含みきれなかった雨の水が玄関を濡らした。
靴下も水を多く含んで気持ち悪い
雑巾のように絞れるんだから、もういっその事この学校用の靴下を雑巾にしてしまうか
私の心と一緒に汚れてしまえばいいんだ。
制服を脱ぎ捨てて自分の部屋に行くと、下着のままベッドに倒れ込んだ
階段の下からお母さんの「夢主傘忘れたの?お風呂入った方がいいんじゃない?風邪ひくよ」という優しい声がした
大好きなその声を聞いてまた泣きそうになった。
返す気力もなく、夕飯も食べる気になれなくてそのまま重い身体をベッドに預けた