お名前を入れるとより楽しく読む事が出来ます
ヒロインに憧れてるけど目立つのは嫌い【HQ】
夢主設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ずっと待っていた由佳の入部
とうとうその日がやってきた。
私は全身を歓迎の笑みで包み込むように由佳の手を引いた
いつも一人で向かっていた体育館への道のりはいつもより明るくて足が軽かった
体育館に入って部員の皆が集まると、すぐに由佳の紹介が始まった
由佳は私と同じで人見知りだからか「た、田口由佳です。今日からマネージャーになる事になりました、精一杯頑張るので、よろしくお願いします!」と噛みながらも言い終えた
そんな由佳を見て何人かの部員が「可愛い」「守ってあげたい」なんて声をあげた
確かに可愛いよ
私より
背も低くて守りたいって思うよね
私も思うもん
谷地さんも身長が150cmなくて、同じような反応されてたなあ
2人とも可愛いもんね
仕方ないか
でも、心の奥深くではまた違った感情が溢れ出てきていた。
『由佳!マネージャーの仕事教えてあげる!』
由佳「ありがと!」
ちょこちょこと私の元へやって来て、教えた事を「うんうん」と聞きながらしっかりと覚えようとしている
小さい身体で沢山の中身の入ったスクイズボトルの籠を持っている姿は、思わず持ってあげたいと思った
由佳が自分から重い方を先に持ったから、軽い方と変えてあげよ
そう思ってその籠を持とうとすると、横から由佳の持っている籠が奪われた
「重いだろ?持ってやるべ」と笑ったのは3年生の菅原先輩だった
その笑顔が私に向けられていないのは、すぐに気付いた
私が重い籠を持っていても、そんな事してくれなかったのに
私にはそんな笑顔で笑ってくれなかったのに。
由佳は小さいから?
可愛いから?
いろんな思いがごちゃ混ぜになって息がしずらい
そんな私に気付くはずもなく菅原先輩と由佳は先に行ってしまった
由佳の友達は私だけなんだから、私だけでいいじゃんという気持ちと
由佳だけじゃなくて私の事も気にかけて欲しいという気持ちがぶつかり合った
体育館に戻ると、休憩になり作ったドリンクを部員の人達に渡していく
由佳は私の隣にくっ付いて「夢主、緊張して月島くんに渡せないから2年生のとこと変わってお願い!」なんて頬を赤く染めながら言われたら断れるはずもなく変わってあげた
大丈夫。
まだ由佳は私をちゃんと友達として見てくれていて頼ってくれてる
それだけで、さっきの汚い心は洗われた気がした