それで、その好きな人って誰なの？そう問うと由佳は小さな声で「……一年生なんだけど」と目を泳がす





一年生か、由佳は年上が好きだと言っていたから驚いた。





たまに恋愛の話になった時は2人でタイプの事を言い合って





”やっぱり彼氏にするなら年上か同い年がいいよね、年下は恋愛として見れない”






って感じだったんだけどな。




まあ好きになったらそんな事関係ないか






由佳「月島くんって言うんだけど…移動教室の時目が合って、その時に…」






なるほど、移動教室の時に目が合って、その瞬間に心を奪われたと






一目惚れじゃないか。






ん？でも移動教室って事は私もその時いたはずだよね





音楽の授業の時、一年生の所少しだけ通るけどもしかしてその時だったりする？





ちょっとまって、それは置いといて今月島って言った？







『月島…』


由佳「うん」


『下の名前分かったりする？』


由佳「確か、1年の子達に蛍くんって呼ばれてた気が…」






じゃあ間違いない
月島くんって今年入ってきたバレー部の部員だ。





由佳は年上好きだけど、月島くんだと聞けば納得出来る




身長高くて雰囲気落ち着いてるし、綺麗な顔してたし、由佳のタイプには全てハマってる






『その月島って子、バレー部だよ』


由佳「そうなのっ！？」






入っている部活が分かって由佳は興奮気味だ。全くテンションが違う






由佳「由佳もバレー部のマネージャーしようかな」





いきなり由佳はそんな事を言い出した。
私としては、部活で話す人いないし孤立しちゃってるから、仲のいい由佳の入部は嬉しいけど……。




帰宅部になりたかったんじゃないの？






由佳「マネージャーになったら月島くんを毎日見れるし、仲良くなれるかも」





恋すると、こんなに積極的になる子なんだ。
恋ってすごいな





さっきから一方的に話してるし





ああ、そう言えばちょうど清水さんとか部員の皆がバレー部のマネージャーになってくれる人を探すって言ってたような





私にも誰かいないかって言われたんだよね…。




その時私だけじゃ、力不足なのかな？って思い込んじゃったけど






『そうだね、』


由佳「ねぇ夢主マネージャーの件、聞いといてくれないかな？」


『分かった。聞いとく！』






自分のことは自分で聞いた方がいいんじゃないかな？





その言葉は飲み込んだ。