止まり木はいずこ?
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始まりは友人からのラインだった。
【ねぇ!肝試ししない?(*^^*)】
【ちょww急になんwww
なんかの番組でも見たの?w】
【ううん、ただふとやりたいなーって!
成人前にみんなでやりたいこと終わらせとこうと思ったんだ!】
【そっかー、肝試し、、、
どこ行くん?あとメンバーは?】
【場所は眼鏡塚ってとこ!結構近いよ!電車で1時間もしない!
メンバーは、、、、、、】
【おー、結構いるねぇ〜今んとこ誘っただけ?OKは誰かからきてるん?】
【、、、、、、からきてるよ!】
【そっかーほぼほぼみんな行くんや〜、、、
ふふふ、そんな面白そうなもん私がやらんはずがないやろ?】
【わーい!みんなで行こ〜!】
(はぁ、、、マジか、、、
私が誘われる1番手なら何とかできたかもだけど、、、
、、、こういうことはなるべくやめた方がいいと思うんだけどな、、、
でももうあの子がOK出したんじゃ、みんな絶対行くよな、、、)
私は佐藤 優子。
高校卒業後、新社会人として世に送り出されてからまだ一度目の春もむかえてない。
正月がすぎ、節分が近づく頃。友人から肝試しの誘いが来た。
、、、はっきりいって、私はほんのちょっぴりとだけ、幽霊とかを信じている。
だけどほとんどは科学で証明出来るものだと思っていて、大体そういう話は先人が危ない場所に不容易に近づかないよう怖い話にして、遠ざけてくれているものだと認識している。
、、、一部を除いて。
(私が行かないと誰か転んだり怪我しそうだな、、、崖から落ちて、、、とか後で聞くのも嫌だし。
想像しただけで怖くなってきた、、、仕方ないな、行くかぁ)
そんな思いでついて行っただけだった。
みんなと遊べるならいいやと、そんな軽い気持ちだったんだ。
結果として、、怪我人は出なかった。
しかし、代償は重く、、、
、、、、、、、、、、、、、。
「ついたー!!眼鏡塚!!」
「結構人いるね〜」
「日曜だからねぇ」
そんな友人達の話し声を聞きながら、携帯で地図を開き、先導する。
昼前に着いたので駅近くの商店街で何か見ながら腹ごしらえをし、夕方近くになったら肝試ししようということになった。ので、商店街までの案内を買って出た。お腹がとってもすいたからだ。美味しいものが食べたい。
『早く行こう?お腹すいた』
そう笑いかけ、みんなの前を歩く。
商店街に着き、辺りを見回す。
どこも昼時ということもあって繁盛していた。さて、どこがいいか。
匂いに空腹を刺激されながら先頭を歩いていた私は、十字路を渡りきった角のお店の前で、ふと振り返る。
みんなの声が聞こえない。いつの間にか何かの店の前に集まり商品を見て騒ぐ、笑顔のみんなを少し遠くから眺める。
ああ、また置いていってしまった。
、、、また、置いてかれてしまった。
いつもそうだ。後ろからついて行こうが、先頭を歩こうが、ふとした瞬間に乗り遅れて、慌てて駆け寄る。
いつからか慌てるのに疲れてしまって、少し遠くからみんなが楽しむ様を見て、待つようになった。
毎回慣れることのない寂しさを感じるが、みんなに気を遣わせたり、自分が気を遣ったりするよりいいかと、待つ。
きっといつもより寂しく感じるのはお腹がすいているせいだ。
少し眺めたあと、携帯をいじり始める。
(肝試しの場所まではまだ距離があるな。
どうせ夕方になってから行くんだからとも思うけど、下調べしておいて損は無いか、、、崖になってるとこがあったらまずいし、、、ん?)
右手にある店先に目を向けると、一際目立つ品がある。
(、、、ふ、タヌキの置物か。しかも手のひらサイズ。
かわいい。ちょっと欲しくなっちゃうなぁ。)
そうして目を離し、みんなを眺める。
また、ぼんやり。
と、後ろから一人の男が歩いて来て私の横を通り過ぎ、後方のみんなの近くへ歩いていく。
もちろん人はまばらだが通っている。
しかし、その人がどうにも目に入ったのは和服だったからだ。
今どき珍しい和服。
着物、はかま、羽織、巾着袋。
濃さの違いはあれど、穏やかな深緑を着こなしている。
私が緑色を好きなのもあるが、背筋を真っ直ぐ伸ばしブレなく歩くその姿に私は思わず見惚れてしまった。
彼は私からだんだんと遠ざかっていき、友人たちも通り過ぎていく。
少ししか見えなかったが髪型はオールバックだった。しかも美形だった気がする。
(ガン見したかった、、、美人さんいいな、、、)
そんなことを考えながら後ろ姿を眺めていた。
(いいなぁ和服、いいなぁ和服美人、、、
、、、あ)
銀色の鈍い光が、揺れる巾着袋から落ちたように見えた。
(、、、もしかして鍵?小銭とか?)
彼は気付かずに歩いていく。
(あ、わわわ、どうしよう)
そんなことを思っているくせに、
歩きだし、
だんだんとスピードが上がっていき、
走って友人の横を通り過ぎていく。
(あっ、角を曲がってしまった!)
光が落ちた所を見ると、やはり鍵。
(まずい!)
急いで追い、角を曲がる。
少し先に彼は居た。
近くの食事処に入ろうと迷っているのか、食品サンプルを見ている。
タッタッタッ、、、
『すみませんっ、はぁ、』
「、、、!?
、、、はい、どうしましたか?」
(あぁぁぁぁ!やっぱり近くで見ると美形!!!驚き顔も美しっ!!!)
『、、、はぁ、はぁ、
、、、、、、これ、、、』
ついみとれてしまい、気の利いた言葉のひとつも言えず。
鍵を差し出す。
「、、、これは、、、、、、
、、、、、、ありがとう。」
そう言って受け取ってもらえた。
ホッと一息。
ニコリ、笑った彼。
『!?、、、そ、それじゃ、、、』
思わず照れてしまい、たったそれだけ言い残し、急いで友人たちの元へ戻る。
「ねぇねぇ!さっき走ってったけど、どしたの?」
『ちょっと、落し物を届けに。』
少し、笑って言った。
届けられてよかった。
届いてよかった。
、、、追いつけて、よかった。
、、、心地良い低音の"ありがとう"が、なかなか耳から離れてくれなかった。
【ねぇ!肝試ししない?(*^^*)】
【ちょww急になんwww
なんかの番組でも見たの?w】
【ううん、ただふとやりたいなーって!
成人前にみんなでやりたいこと終わらせとこうと思ったんだ!】
【そっかー、肝試し、、、
どこ行くん?あとメンバーは?】
【場所は眼鏡塚ってとこ!結構近いよ!電車で1時間もしない!
メンバーは、、、、、、】
【おー、結構いるねぇ〜今んとこ誘っただけ?OKは誰かからきてるん?】
【、、、、、、からきてるよ!】
【そっかーほぼほぼみんな行くんや〜、、、
ふふふ、そんな面白そうなもん私がやらんはずがないやろ?】
【わーい!みんなで行こ〜!】
(はぁ、、、マジか、、、
私が誘われる1番手なら何とかできたかもだけど、、、
、、、こういうことはなるべくやめた方がいいと思うんだけどな、、、
でももうあの子がOK出したんじゃ、みんな絶対行くよな、、、)
私は佐藤 優子。
高校卒業後、新社会人として世に送り出されてからまだ一度目の春もむかえてない。
正月がすぎ、節分が近づく頃。友人から肝試しの誘いが来た。
、、、はっきりいって、私はほんのちょっぴりとだけ、幽霊とかを信じている。
だけどほとんどは科学で証明出来るものだと思っていて、大体そういう話は先人が危ない場所に不容易に近づかないよう怖い話にして、遠ざけてくれているものだと認識している。
、、、一部を除いて。
(私が行かないと誰か転んだり怪我しそうだな、、、崖から落ちて、、、とか後で聞くのも嫌だし。
想像しただけで怖くなってきた、、、仕方ないな、行くかぁ)
そんな思いでついて行っただけだった。
みんなと遊べるならいいやと、そんな軽い気持ちだったんだ。
結果として、、怪我人は出なかった。
しかし、代償は重く、、、
、、、、、、、、、、、、、。
「ついたー!!眼鏡塚!!」
「結構人いるね〜」
「日曜だからねぇ」
そんな友人達の話し声を聞きながら、携帯で地図を開き、先導する。
昼前に着いたので駅近くの商店街で何か見ながら腹ごしらえをし、夕方近くになったら肝試ししようということになった。ので、商店街までの案内を買って出た。お腹がとってもすいたからだ。美味しいものが食べたい。
『早く行こう?お腹すいた』
そう笑いかけ、みんなの前を歩く。
商店街に着き、辺りを見回す。
どこも昼時ということもあって繁盛していた。さて、どこがいいか。
匂いに空腹を刺激されながら先頭を歩いていた私は、十字路を渡りきった角のお店の前で、ふと振り返る。
みんなの声が聞こえない。いつの間にか何かの店の前に集まり商品を見て騒ぐ、笑顔のみんなを少し遠くから眺める。
ああ、また置いていってしまった。
、、、また、置いてかれてしまった。
いつもそうだ。後ろからついて行こうが、先頭を歩こうが、ふとした瞬間に乗り遅れて、慌てて駆け寄る。
いつからか慌てるのに疲れてしまって、少し遠くからみんなが楽しむ様を見て、待つようになった。
毎回慣れることのない寂しさを感じるが、みんなに気を遣わせたり、自分が気を遣ったりするよりいいかと、待つ。
きっといつもより寂しく感じるのはお腹がすいているせいだ。
少し眺めたあと、携帯をいじり始める。
(肝試しの場所まではまだ距離があるな。
どうせ夕方になってから行くんだからとも思うけど、下調べしておいて損は無いか、、、崖になってるとこがあったらまずいし、、、ん?)
右手にある店先に目を向けると、一際目立つ品がある。
(、、、ふ、タヌキの置物か。しかも手のひらサイズ。
かわいい。ちょっと欲しくなっちゃうなぁ。)
そうして目を離し、みんなを眺める。
また、ぼんやり。
と、後ろから一人の男が歩いて来て私の横を通り過ぎ、後方のみんなの近くへ歩いていく。
もちろん人はまばらだが通っている。
しかし、その人がどうにも目に入ったのは和服だったからだ。
今どき珍しい和服。
着物、はかま、羽織、巾着袋。
濃さの違いはあれど、穏やかな深緑を着こなしている。
私が緑色を好きなのもあるが、背筋を真っ直ぐ伸ばしブレなく歩くその姿に私は思わず見惚れてしまった。
彼は私からだんだんと遠ざかっていき、友人たちも通り過ぎていく。
少ししか見えなかったが髪型はオールバックだった。しかも美形だった気がする。
(ガン見したかった、、、美人さんいいな、、、)
そんなことを考えながら後ろ姿を眺めていた。
(いいなぁ和服、いいなぁ和服美人、、、
、、、あ)
銀色の鈍い光が、揺れる巾着袋から落ちたように見えた。
(、、、もしかして鍵?小銭とか?)
彼は気付かずに歩いていく。
(あ、わわわ、どうしよう)
そんなことを思っているくせに、
歩きだし、
だんだんとスピードが上がっていき、
走って友人の横を通り過ぎていく。
(あっ、角を曲がってしまった!)
光が落ちた所を見ると、やはり鍵。
(まずい!)
急いで追い、角を曲がる。
少し先に彼は居た。
近くの食事処に入ろうと迷っているのか、食品サンプルを見ている。
タッタッタッ、、、
『すみませんっ、はぁ、』
「、、、!?
、、、はい、どうしましたか?」
(あぁぁぁぁ!やっぱり近くで見ると美形!!!驚き顔も美しっ!!!)
『、、、はぁ、はぁ、
、、、、、、これ、、、』
ついみとれてしまい、気の利いた言葉のひとつも言えず。
鍵を差し出す。
「、、、これは、、、、、、
、、、、、、ありがとう。」
そう言って受け取ってもらえた。
ホッと一息。
ニコリ、笑った彼。
『!?、、、そ、それじゃ、、、』
思わず照れてしまい、たったそれだけ言い残し、急いで友人たちの元へ戻る。
「ねぇねぇ!さっき走ってったけど、どしたの?」
『ちょっと、落し物を届けに。』
少し、笑って言った。
届けられてよかった。
届いてよかった。
、、、追いつけて、よかった。
、、、心地良い低音の"ありがとう"が、なかなか耳から離れてくれなかった。
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