君とふたりで
あなたの名前は
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幸せになってね〜
このやろー!おめでとー!
お幸せに!
おめでとう!!
誓いのキスが終わると共に、友人たちがお祝いの言葉をくれる。
相手は教師。選ばれたエリート。
顔もまあまあ悪くない。
性格は当たり障りなく、10人中7人くらいは彼を親切な人だと言うだろう。
これが政略結婚でなければ、私もきっともう少しマシな笑顔だったんだろうな。
にこやかに、なるべく幸せそうに笑う。
『ありがとうみんな!』
マリッジブルー
正直、自分でも高望みをしすぎだとは思う。
相手に一切非はない。自分が悪い。
だが、、、
王子様と恋に落ちて〜とかは流石に考えてないけど、政略結婚はしないと思ってた。
魔女の家系、、、だろうがだいぶ本家からは離れてるし、自分自身の力も強くはないから、「きっとさっさと適当な人見つけないと売れ残るな〜。なるべく私を好きで、私も好きになれる人がいいな、、、まあ家族を粗末に扱う人じゃなきゃなきゃいっか。」
このくらいにしか考えてなかった。
そうホグワーツ卒業直後に考えたっきりで、仕事にばっかり集中してて、結婚のけの字も頭になかった自分を殴りたい。危機感持て、バカ。
初めてお見合いの話を聞いたのは1年前。
曾祖母様がお呼びだと、本家に呼び出されたかと思ったら、いい人は居ないのかと言うお小言を丸一日聞かされた。
なにか悪いことしたっけとビクビクしながらやってきた約5時間返して欲しい。あとお小言の一日も。
散々耳を痛めたあと、冊子を10冊渡された。
お見合い相手を見繕っておいたから選べとのこと。
味見も可、と言われ思わず鳥肌が立ち挨拶も程々に早々と退室したら、扉を閉める直前「受け取ったら足早に退室するなんて、、、味見効果かね?」と聞こえてきたのは冗談だと思いたい。
とりあえずパッと見で情報をみて、家柄や能力等確かに紙面上は問題ない人ばかりだったが、、、2人ほど会ってみてダメだと思った。
1人目は本当に酷かった、、、。
運が悪かっただけだと、2人目。
ダメだった。良家の次男三男まともじゃない、、、家に帰って枕投げた。
2人会っただけでは流石に断りにくいな、、、と思いながらも、とりあえずやばいやつらだったと曾祖母に報告しにいったが、じゃじゃ馬にはそのくらいがちょうどよかろうと言われ話にならなかった。
しかもさらに新たな20冊を渡された。嘘だろふざけんな。
とにかく安全そうなやつ、安全そうなやつ、、、と選んで5人目。
やっとまともに話せた。と言っても相手は吃り気味だったが。
だが、そんな様子から想像もつかないほどの知識と知性、鋭さを感じた。それらはよく相手を見ないと気付かない程のもので、ただ見れば気弱そうな神経質そうな男性だった。
ハッキリいって、これも地雷かと曾祖母の底意地の悪さを感じた。
もう諦めて合コンにでも行って適当なのを本家に連れていこうかと思うほど。
しかし話が終盤になると、少し緊張を解いたように会話し始めた。
私としては相手が初対面の仮面を捨て、本題である何かやばい要求でも出し始めたのかと思ったのでよくよく耳を傾けて聞いたが、、、
どうやらあちらさんも親に結婚をせっつかれているようだ。
嘘かどうかの判断は付かなかったが。
とりあえずOKとし、後日両家ともに挨拶をしてみた。
相手の両親が「この子は仕事ばかりで全然相手が決まらなくて、、、」と言ってたことで話は本当だとわかったし、会う回数を増やせば吃ることは少なくなった。
はっきり言って、一切信用はしてない。
しかし、下手なことがおきなければ相手がぽっくり死ぬのを待つのもいいだろうと思った。
相手も有名学校の教師である立場上、下手な事はしないだろうと。
これが最後の結婚式になればいいなぁと、遠い目で空を見つめた。
そして、結婚式が終わった今に至る。
夜。全ての疲れを置いて寝る準備を整える。
明日は荷解きを、、、とかもう考えない。
もう寝るしかない。と、
と、と、と。
控えめなノックの音。
寝室は別で、と言ったにも関わらず快諾した変わり者の登場か。
『どうぞ』
結構眠気が厳しいが、ちょっと話すくらいならどうということは無い。それに結婚式すぐ後にがっつくようなやつじゃないだろう。
万が一目の前で寝ても別に、、、と、眠い頭で迎える。
静かに開かれた戸から、静かに入ってくる。
ピクシー妖精にも見習ってもらいたいなどとおかしなことを考えていると。
「あー、その、す、すみません、眠い時に。」
『いえ。どうしました?』
「、、、聞きそびれていたことがあって。」
『、、、今お話した方がいい事ですか?』
少し、、、いや、だいぶか。トゲのある言葉になってしまったが仕方ない。眠いし、私こういう人間だし。
だが、特に気を悪くした様子はなく続ける。
「えっと、あの、、、」
『、、、』
「、、、なぜ、私と結婚してくれたんですか?」
今、ふと思う。
そういえば2人きりで密室に長くいる機会は中々なかったと。
初めてあった頃とかはデートのため多少あったが、だから聞きたくとも聞けなかったのかと。
『、、、利害の一致ですよ。』
「そ、そう、ですか。あなたも、、、」
『私も?』
「ああ!いえ、その、、家族に結婚しろと、、、」
『、、、そうですね。あの曾祖母ですから。』
「、、、ああ、結婚式にいらっしゃったあの方。そ、そうですね。」
『、、、』
「、、、」
『、、、?』
「あ、すみませんでした。眠たいところを邪魔してまで聞く事じゃなかったですよね、すみません」
『、、、こっちからも1つ、、、いや2ついいですか?』
「えっ、あっ、はい。」
『家で気を張らなくてもいいと思いますよ。
疲れるでしょうし、吃り気味なフリをしているのは、、、なにか理由があるんでしょう。
探るつもりは無いですが、家でも私にも、やらなくていいです。』
「、、、いつから」
『初めて会った時から。知性を感じるのに何故だろうと違和感を覚えたので。』
「なかなか鋭いですね。」
『そちらこそ。』
「、、、わかりました。ただし、本当に昔からの癖でもあるので気にしないでください。さぁ、もう1つは?」
『、、、知性を感じるって言ったじゃないですか。』
「はい」
『で、家族にせっつかれている。』
「そうですね」
『なんか、シンパシーを感じちゃったんですよ。
あ、いや、自分に知性があるって言いたいんじゃないんです。
その、なんか、知性を隠し吃り気味である表の顔と、知性あふれる裏の顔、そういった別の顔をはっきり持っているのがうらやましかったというか、素敵に感じたというか、なんと言うか、、、うーん。
あれ?私なにしゃべってましたっけ?
ごめんなさい。ちょっと寝ぼけてて、、、』
「、、、」
『えっ、なんで顔背けるんです?』
「、、、っく」
『、、、くしゃみ?我慢しない方がいいですよ。
ああ、手を洗うの面倒とかなら肘の内側に口を近づけると撒きちらさないし衛生的だし手を洗う必要も、、、』
「ふ、は、はははっ!!」
『、、、え?』
「ち、ちょっと、ま、ふっく」
『何がそんなにお気に召したんでしょうか、、、』
「ふ、、、んんっ。す、すみません」
『いえ。』
「あー、その。
私も、感じたんです。シンパシー。」
『、、、おー。』
「その上で眠さで混乱しているのが可愛らしかったと言いますか、、、」
『正直に言っていいですよ。おかしかったって。』
「ふふ。はい、正直に言いましょう。
面白かったです。でも可愛らしさも確かに感じましたよ?」
『、、、きっと私たち、疲れてるんですよ。もう寝ましょう?』
「、、、そう、ですね。遅いところすみませんでした。
では、おやすみなさい」
『おやすみ、旦那さん』
「、、、ふ」
『ああ、またですか、、、ん、ふ、ふふ』
「ふふ、あなたも笑ってるじゃないですか」
『、、、ふふ、そうですね』
だって、仕方がないじゃないですか。
貴方があんまり楽しそうに笑うから。
深く沈んでしまった、人を愛する心も
『つい、つられてしまったんです。』
