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「始まったよー。」
夜も更けた頃、お風呂から上がった彼に例の番組が始まったことを伝える。
え、もう?といった彼は濡れて艶々した髪にタオルを当てながらこちらにやってくる。
「髪乾かしてきなよ。風邪ひいちゃうよ?
後で録画が追っかければいいんだから。」
「ううん。いい。面倒くさい。」
いつまでたっても青年らしい彼がなんだか微笑ましくてタオルをワシャワシャする。
「え~、なに、もう。」
言葉とは反対に口がにやけてるぞ。
典型的なハイレベルのクイズを異次元と囃し立てながら繰り広げる例の番組には彼にとって良くない思い出も結構あるからとスルーするかと思ったけれど、結局のところ次の東大王の対策に使いたいからと一緒に見る事になった。
「出たー。全88星座!」
「懐かしいね。」
「へびつかい、いるか、かみのけ、けんびきょう」
「それ俺がこの間押し負けたやつじゃん。どうせなら勝った時のやつ言ってよ。」
画面の向こうにいた彼が今、
こうして隣ではしゃぐ私の横で彼が一緒に笑ってくれるのが夢のようだ。
『全く笑いません』というあの頃と同じようなアナウンスに
彼を初めて見た日の事を思い出す。
「花子、どうした?」
ボーっとしてた私に颯が話しかける。
「私、颯の事初めて見たとき、中学生だったんだよね。」
「え!あ、そっか。」
「その頃はこの番組が嫌いだった。」
「ふっ、オブラートも何もないね笑。なんで?」
「だって、途中から明らかに颯に不利だったじゃん。
テレビの前でお母さんに文句言ってた。」
はっはっは。とニコニコ笑う彼の笑顔は不服ながら本当にプリンスと言わざるを得ない。
「あと…」
「あと?」
「あの頃の私には・・・つまらなかった。」
「え?」
「すべてが異次元で、まじめに勉強してるだけじゃかなわない感じがしてつまらなかった。」
まあ、中学生だったらねえ。と苦笑いしたことはスルーしておこう。
「でも、今は楽しいよ。あの頃は信じられない位。」
延長戦が終了したようでエンドロールが流れる。
「東大に入って、颯と出会って、知識が広がって。
本当に信じられない位人生が豊かになった。」
ちょっとまってて。と彼を残して冷蔵庫から昨夜作ったチョコを持ってくる。
「え。これはまさか。」
「はい、バレンタイン。」
あの頃の私が見たら絶句するくらいニヤニヤしている彼に、
どうせだから恥ずかしい日頃の感謝も伝えてしまえ。
「いつもありがとう。
私は、颯の知識に貪欲なところとかちょっとおしゃべりなところとか…好き。
これからもよろしくお願いしますっ。」
言ってる途中で恥ずかしくなって尻すぼみになった挙句、
恥かしさが極致に達して彼に背を向けたことは許してほしい。
「花子。」
このタイミングでバックハグとか本当に心臓に悪いからやめてほしい。
「俺も。知らないことあったらどんどん俺に聞いてくれるところとか、それをちゃんと覚えといてくれるとことか…好き。
これから4月になったら忙しくてあんまり会えないかもしれないけど、これからもよろしくお願いします。」
「お医者さんだもんね。」
将来の事について語り合ったのは、また別の話…。
夜も更けた頃、お風呂から上がった彼に例の番組が始まったことを伝える。
え、もう?といった彼は濡れて艶々した髪にタオルを当てながらこちらにやってくる。
「髪乾かしてきなよ。風邪ひいちゃうよ?
後で録画が追っかければいいんだから。」
「ううん。いい。面倒くさい。」
いつまでたっても青年らしい彼がなんだか微笑ましくてタオルをワシャワシャする。
「え~、なに、もう。」
言葉とは反対に口がにやけてるぞ。
典型的なハイレベルのクイズを異次元と囃し立てながら繰り広げる例の番組には彼にとって良くない思い出も結構あるからとスルーするかと思ったけれど、結局のところ次の東大王の対策に使いたいからと一緒に見る事になった。
「出たー。全88星座!」
「懐かしいね。」
「へびつかい、いるか、かみのけ、けんびきょう」
「それ俺がこの間押し負けたやつじゃん。どうせなら勝った時のやつ言ってよ。」
画面の向こうにいた彼が今、
こうして隣ではしゃぐ私の横で彼が一緒に笑ってくれるのが夢のようだ。
『全く笑いません』というあの頃と同じようなアナウンスに
彼を初めて見た日の事を思い出す。
「花子、どうした?」
ボーっとしてた私に颯が話しかける。
「私、颯の事初めて見たとき、中学生だったんだよね。」
「え!あ、そっか。」
「その頃はこの番組が嫌いだった。」
「ふっ、オブラートも何もないね笑。なんで?」
「だって、途中から明らかに颯に不利だったじゃん。
テレビの前でお母さんに文句言ってた。」
はっはっは。とニコニコ笑う彼の笑顔は不服ながら本当にプリンスと言わざるを得ない。
「あと…」
「あと?」
「あの頃の私には・・・つまらなかった。」
「え?」
「すべてが異次元で、まじめに勉強してるだけじゃかなわない感じがしてつまらなかった。」
まあ、中学生だったらねえ。と苦笑いしたことはスルーしておこう。
「でも、今は楽しいよ。あの頃は信じられない位。」
延長戦が終了したようでエンドロールが流れる。
「東大に入って、颯と出会って、知識が広がって。
本当に信じられない位人生が豊かになった。」
ちょっとまってて。と彼を残して冷蔵庫から昨夜作ったチョコを持ってくる。
「え。これはまさか。」
「はい、バレンタイン。」
あの頃の私が見たら絶句するくらいニヤニヤしている彼に、
どうせだから恥ずかしい日頃の感謝も伝えてしまえ。
「いつもありがとう。
私は、颯の知識に貪欲なところとかちょっとおしゃべりなところとか…好き。
これからもよろしくお願いしますっ。」
言ってる途中で恥ずかしくなって尻すぼみになった挙句、
恥かしさが極致に達して彼に背を向けたことは許してほしい。
「花子。」
このタイミングでバックハグとか本当に心臓に悪いからやめてほしい。
「俺も。知らないことあったらどんどん俺に聞いてくれるところとか、それをちゃんと覚えといてくれるとことか…好き。
これから4月になったら忙しくてあんまり会えないかもしれないけど、これからもよろしくお願いします。」
「お医者さんだもんね。」
将来の事について語り合ったのは、また別の話…。