コロナについて
コロナの感染のステップは、6つに分かれる。
1,人の体内に入る
2,細胞の表面にくっつく
3,細胞に侵入する
4,細胞内で増殖
5、別の細胞に入りさらに増殖
以上である。
1,人の体内に入る
ウイルス球体の周りにはエンベローブと呼ばれる脂質二重膜があり、この膜に突き刺さる形で、スパイクタンパク質が存在します。スパイクタンパク質は、ウイルス粒子の最も外側の構造ですから、感染するときに真っ先に相手に触れる構造です
2,細胞の表面にくっつく
ウイルスは、最初に、ヒトなど動物細胞表面の受容体に結合する必要があります。新型コロナウイルスでは、表面に突き出しているスパイクタンパク質が、細胞表面にある受容体、ACE2に結合することからこのライフサイクルは始まります。ACE2とは「アンジオテンシン変換酵素2」という細胞表面にある酵素タンパク質です。認識して結合する受容体はウイルスにより決まっていて、例えばインフルエンザウイルスでは上気道や下気道細胞表面のシアル酸糖鎖という構造が、HIVでは免疫細胞上のCD4というタンパク質がウイルス受容体として機能しています。ACE2はアンジオテンシンⅡと呼ばれる血圧調節するホルモン(正確にはオータコイド)の分解に関与しますが、感染により血圧が急激に変化することはないようです。また、最近の研究ではヒトが作るFurinと呼ばれるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)が切断する配列が(SARS-CoVにはなく)新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に存在することがわかり、Furinによる切断によってACE2へより強く結合し、感染が拡大したのではないかと考えられています。
3,細胞に侵入する
スパイクタンパク質がACE2受容体と結合した後、細胞表面にあるTMPRSS2(II型膜貫通型セリンプロテアーゼ)という酵素がスパイクタンパク質の一部を切断すると、結合の様子が変わります。これをきっかけにしてウイルスのエンベロープと細胞膜との融合がはじまり、細胞内に侵入します。
4,細胞内で増加
スパイクタンパク質がACE2受容体と結合した後、細胞表面にあるTMPRSS2(II型膜貫通型セリンプロテアーゼ)という酵素がスパイクタンパク質の一部を切断すると、結合の様子が変わります。これをきっかけにしてウイルスのエンベロープと細胞膜との融合がはじまり、細胞内に侵入します。
ウイルスのゲノムから様々な核酸、タンパク質などのウイルス粒子の材料となる部品を作り出す。生物ではセントラルドグマと呼ばれる「DNA→RNA→タンパク質」という流れがあり、複製、転写、翻訳という過程で遺伝子の情報からタンパク質が作られていますが、コロナウイルスではゲノムがRNAのために少し複雑です。次の(ア)~(エ)のステップから成ります。
(ア) RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の合成:(+)鎖のRNAをゲノムにもつコロナウイルスはまず最初に、ウイルスゲノムにコードされているRdRpを宿主のリボソームを利用してタンパク質合成(翻訳)します。RdRpは宿主の核内にあるDNA依存性RNAポリメラーゼとは異なり、ウイルスゲノムのRNA配列を読み取りながら新しいRNAを合成していく酵素タンパク質です。
(イ) ゲノムRNAの複製:(ア)のRdRpは(+)鎖5RNAゲノムから(ー)鎖RNAを合成し、さらに(ー)鎖を鋳型に(+)鎖ゲノムRNAを合成します。RdRpの阻害剤として、ファビピラビル(アビガン)やレムデシビルが期待され、治験が行われたり、認可されたりしています。これらは、もともとは、インフルエンザやエボラ出血熱の薬として開発されていたものです。これらの原因ウイルスはSARS-CoV-2と同様にRdRpをもつRNAウイルスです。
(ウ) 転写(mRNAの合成)と翻訳(タンパク質合成):ゲノムRNAだけでなく、より短い、サブゲノムmRNAを何種類か合成します。mRNA(伝令RNA)として機能し、ヒトのリボソームを介してウイルスタンパク質合成(翻訳)のために利用されます。
(エ) 通常、ヒトなどの細胞で1種類のタンパク質の情報は1本のmRNA上にのっていてそれを元にリボソームがタンパク質を合成します。しかし、コロナウイルスでは複数のタンパク質の情報がサブゲノムmRNA各々に同時にのっていて、1本の長いタンパク質の配列情報が連続して繋がっています。宿主細胞のリボソームはそれを一気に一本のアミノ酸の鎖(ポリペプチド鎖)として合成します。
5,別の細胞に入りさらに増殖
ウイルス粒子の放出:さまざまなウイルス粒子を構成するパーツの中で、エンベロープに組み込まれるものは、粗面小胞体上でタンパク質合成され、小胞体膜上に組み込まれます。また、ウイルスゲノムRNAにカプシドタンパクが結合してヌクレオカプシドを形成し、これを囲むように、ウイルスタンパク質を含んだ小胞体膜が切り取られ、ウイルス粒子を形成、ゴルジ装置を介して、エキソサイトーシスで細胞外に放出されます。
細胞内でウイルス量を数百倍にも増幅させてから細胞外へ放出した後、また周辺の未感染の細胞に吸着して感染を繰り返していきます。
下記参考
オミクロン株 症状は?ワクチンは? 1からわかる!新型コロナ(5)|NHK就活応援ニュースゼミ
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji104/
コロナウイルスの構造と複製サイクル(ライフサイクル)|城西国際大学 (jiu.ac.jp)
https://www.jiu.ac.jp/features/detail/id=6822
1,人の体内に入る
2,細胞の表面にくっつく
3,細胞に侵入する
4,細胞内で増殖
5、別の細胞に入りさらに増殖
以上である。
1,人の体内に入る
ウイルス球体の周りにはエンベローブと呼ばれる脂質二重膜があり、この膜に突き刺さる形で、スパイクタンパク質が存在します。スパイクタンパク質は、ウイルス粒子の最も外側の構造ですから、感染するときに真っ先に相手に触れる構造です
2,細胞の表面にくっつく
ウイルスは、最初に、ヒトなど動物細胞表面の受容体に結合する必要があります。新型コロナウイルスでは、表面に突き出しているスパイクタンパク質が、細胞表面にある受容体、ACE2に結合することからこのライフサイクルは始まります。ACE2とは「アンジオテンシン変換酵素2」という細胞表面にある酵素タンパク質です。認識して結合する受容体はウイルスにより決まっていて、例えばインフルエンザウイルスでは上気道や下気道細胞表面のシアル酸糖鎖という構造が、HIVでは免疫細胞上のCD4というタンパク質がウイルス受容体として機能しています。ACE2はアンジオテンシンⅡと呼ばれる血圧調節するホルモン(正確にはオータコイド)の分解に関与しますが、感染により血圧が急激に変化することはないようです。また、最近の研究ではヒトが作るFurinと呼ばれるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)が切断する配列が(SARS-CoVにはなく)新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に存在することがわかり、Furinによる切断によってACE2へより強く結合し、感染が拡大したのではないかと考えられています。
3,細胞に侵入する
スパイクタンパク質がACE2受容体と結合した後、細胞表面にあるTMPRSS2(II型膜貫通型セリンプロテアーゼ)という酵素がスパイクタンパク質の一部を切断すると、結合の様子が変わります。これをきっかけにしてウイルスのエンベロープと細胞膜との融合がはじまり、細胞内に侵入します。
4,細胞内で増加
スパイクタンパク質がACE2受容体と結合した後、細胞表面にあるTMPRSS2(II型膜貫通型セリンプロテアーゼ)という酵素がスパイクタンパク質の一部を切断すると、結合の様子が変わります。これをきっかけにしてウイルスのエンベロープと細胞膜との融合がはじまり、細胞内に侵入します。
ウイルスのゲノムから様々な核酸、タンパク質などのウイルス粒子の材料となる部品を作り出す。生物ではセントラルドグマと呼ばれる「DNA→RNA→タンパク質」という流れがあり、複製、転写、翻訳という過程で遺伝子の情報からタンパク質が作られていますが、コロナウイルスではゲノムがRNAのために少し複雑です。次の(ア)~(エ)のステップから成ります。
(ア) RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の合成:(+)鎖のRNAをゲノムにもつコロナウイルスはまず最初に、ウイルスゲノムにコードされているRdRpを宿主のリボソームを利用してタンパク質合成(翻訳)します。RdRpは宿主の核内にあるDNA依存性RNAポリメラーゼとは異なり、ウイルスゲノムのRNA配列を読み取りながら新しいRNAを合成していく酵素タンパク質です。
(イ) ゲノムRNAの複製:(ア)のRdRpは(+)鎖5RNAゲノムから(ー)鎖RNAを合成し、さらに(ー)鎖を鋳型に(+)鎖ゲノムRNAを合成します。RdRpの阻害剤として、ファビピラビル(アビガン)やレムデシビルが期待され、治験が行われたり、認可されたりしています。これらは、もともとは、インフルエンザやエボラ出血熱の薬として開発されていたものです。これらの原因ウイルスはSARS-CoV-2と同様にRdRpをもつRNAウイルスです。
(ウ) 転写(mRNAの合成)と翻訳(タンパク質合成):ゲノムRNAだけでなく、より短い、サブゲノムmRNAを何種類か合成します。mRNA(伝令RNA)として機能し、ヒトのリボソームを介してウイルスタンパク質合成(翻訳)のために利用されます。
(エ) 通常、ヒトなどの細胞で1種類のタンパク質の情報は1本のmRNA上にのっていてそれを元にリボソームがタンパク質を合成します。しかし、コロナウイルスでは複数のタンパク質の情報がサブゲノムmRNA各々に同時にのっていて、1本の長いタンパク質の配列情報が連続して繋がっています。宿主細胞のリボソームはそれを一気に一本のアミノ酸の鎖(ポリペプチド鎖)として合成します。
5,別の細胞に入りさらに増殖
ウイルス粒子の放出:さまざまなウイルス粒子を構成するパーツの中で、エンベロープに組み込まれるものは、粗面小胞体上でタンパク質合成され、小胞体膜上に組み込まれます。また、ウイルスゲノムRNAにカプシドタンパクが結合してヌクレオカプシドを形成し、これを囲むように、ウイルスタンパク質を含んだ小胞体膜が切り取られ、ウイルス粒子を形成、ゴルジ装置を介して、エキソサイトーシスで細胞外に放出されます。
細胞内でウイルス量を数百倍にも増幅させてから細胞外へ放出した後、また周辺の未感染の細胞に吸着して感染を繰り返していきます。
下記参考
オミクロン株 症状は?ワクチンは? 1からわかる!新型コロナ(5)|NHK就活応援ニュースゼミ
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji104/
コロナウイルスの構造と複製サイクル(ライフサイクル)|城西国際大学 (jiu.ac.jp)
https://www.jiu.ac.jp/features/detail/id=6822