手料理をキミと
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好きな人が出来たら料理を作って、休日には背伸びをしてお菓子でも作って驚かせてあげたいな。生クリームも泡立て器で時間をかけてホイップしたり、可愛い飾り付けを買ってラッピングして。
大好きだな~なんて恋人を思い出しながら作るの。それって最高の休日じゃない?
なーんて、それこそ甘い夢を描いてたっけ。
「も~!!……やっぱり私には無理なのかも。」
テーブルへ突っ伏しながら、目の前に広げた両手には勲章の様に絆創膏が数枚巻かれている。
その数が日に日に増え、更に時間を掛けて作った料理を口に運ぶ度に気持ちはげんなりと落ち込んだ。
料理って人を元気にしたり幸せにしたり。それこそ1日の疲れや嫌な事を吹き飛ばしてくれる物だって、母の手作り料理を食べながら教えてもらってきた。
その子供なのに、こうも不器用な私。料理をし始めて、改めて母の偉大さを実感した。
現実って厳しい…。
料理本を見ても上手くいかず手際も悪いから焦って調理器具や食器を落としたり、野菜を切ろうにも添えている手が滑って包丁で指は切るのは当たり前。
うん、絶対に任務より怪我してる。
「おいおい、傷だらけじゃあないか!一体どうしたんだっ。」
「あ…。えっと…これは…。」
「サラは綺麗な指をしているのに…ジョルノに看せていないのか?」
頭上から降ってきた声の主に驚いて顔を上げると、慌てて手を取り心底心配しているブチャラティが居た。
ああ…。今までバレない様に然り気無く手をポケットに入れたりと隠して来たのが、これで全部水の泡だ。
ジョルノに理由を言ったら絶対笑われちゃうよ…。しかもこんな理由で怪我したのに、スタンドで治してもらうなんて申し訳なさすぎる。
「大丈夫!絆創膏の数は多いけど、全然大した事ないの!」
「大した事ない?女の身体に傷が付いてるんだぜ?……誰がやったんだ。…………オレがソイツに消えない傷を作ってやる。」
「ブ、ブチャラティ違うの!」
「安心しろ。もちろん息の根も止める。」
彼は誰かも解らないターゲットへと殺意を抱き、鋭い目付きと雰囲気から今すぐにでも殺し兼ねない勢いだ。
顔怖い!!しかもすっごく誤解しちゃってる!!
恋人である彼の大好きな顔も、今は任務でも見せた事の無い程の形相にサラの背中に冷や汗が浮かぶ。顔がいいから余計に凄みが増すのだ。
「全部私が悪いの!!」
「何だと?……もしかして相手を庇ってるのか。」
「ちっがーう!!わ、私が料理が下手だからなの!!」
「……………は?」
もう頭の中では"誰かにやられた"って決めつけているせいで、何を言っても疑いが晴れないブチャラティには正直に言うしかないと声を荒げた。
そんなサラと台詞に驚いたのか、瞬きを数回した彼が気の抜ける様な声を漏らすものだから、恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がない。
だから言いたく無かったのに…。
女性が料理出来ないなんて恥ずかしい…。しかもそれを彼に知られるなんて、穴があったら入りたい程だ。
完璧な男、女性の憧れの的のブチャラティ。
そんな彼の恋人になれたのに、私ときたら見た目もパッとしないし身体も女性としたら貧相だし…せめて料理でもって思ったのに失敗ばっかり。
日本では"男は胃袋で掴め!"と言う言葉がある程だ。人気なブチャラティをどうやって繋ぎ止めたらいい?
何だか色んな感情が溢れだして、鼻の奥がツンと苦しくなり視界は涙で膜を覆った。
「何度やっても失敗しちゃうの…。私、私、ブチャラティの恋人失格かも…。」
「何でそうなるんだ。」
「だって…私には何もしてあげられないし……可愛くも綺麗でもないし。」
「それで?」
「大好きな人に美味しい料理も食べさせてあげられない女なの…。」
震えながら声と気持ちを絞り出す。ブチャラティはというとサラの手を握ったまま、目線を反らす事無くただただ聞いてくれている。
沈黙がやけに長く感じる。もしかしたら呆れてるのかもしれない。そんな不安が私を襲い彼の表情を確認するのが怖くて、俯いて木目調のテーブルを見つめ続けた。
すると指先に違和感を感じて顔を上げれば、指に巻いてある絆創膏が1枚、また1枚とブチャラティの手で剥がされているではないか。
「ブチャラティ?」
「随分と沢山作ったな。」
「や…見ないで。絆創膏外さないでよ…。」
「隠すなよ。オレはこの傷が愛しいんだぜ。」
「え?」
「どうして?」と問い掛け様と唇を開いたのと同時に、視界に指の傷1つ1つに唇を寄せキスを落とすブチャラティの姿が入るとサラの思考は停止した。なのにバクバクと心臓だけは激しく動き、唇が触れる度に花の蕾が開く様に熱が生じる。
「オレの為に出来た傷だろ?嫌いになる筈がない。」
「で、でも…。」
「それだけオレを想って料理を作ってくれてたなんてな。知ってたら食べに行ったぜ?」
「ま、不味いもん。」
「じゃあ、サラはオレが料理作ったら食べてくれないのか?」
「食べる!!」
「だろ?同じだぜ。」
頑なだったサラが急に即答するものだから、ブチャラティはクスッと笑みを溢すと指の間に自身の指を絡めて繋げば頬を寄せた。
愛しげに此方を見つめながら笑うのは反則だ。
もう…敵わないなぁ。
何だか悩んでいた事がとても小さな事に思えてきた。そっか…。大事なのは成功する事じゃなくて、気持ちなんだ。
「なあ、今日の仕事が終わったらオレの家で一緒に料理を作らないか?」
「……私、食器割っちゃうかもよ?」
「キミが怪我しないならいいさ。……それとも、サラはオレのエプロン姿に興味無いのか。残念だな。」
ブチャラティの申し出に少し躊躇するも、エプロン姿と聞き脳内には髪を1つに結い黒いエプロンを着ける姿が思い浮かんだ。
何それ絶対かっこいい!!
「み、見たい!!」
「サラなら言うと思った。」
勢い良く答えたものだから、クスクスと声を上げて笑うブチャラティを見るとサラにも漸く笑みが浮かぶ。ああ、思えば母も言ってたっけ。
「1番の隠し味は大好きって気持ちよ。」
2人一緒ならば、今日はとびきり美味しい料理が作れそうだ。
end
大好きだな~なんて恋人を思い出しながら作るの。それって最高の休日じゃない?
なーんて、それこそ甘い夢を描いてたっけ。
「も~!!……やっぱり私には無理なのかも。」
テーブルへ突っ伏しながら、目の前に広げた両手には勲章の様に絆創膏が数枚巻かれている。
その数が日に日に増え、更に時間を掛けて作った料理を口に運ぶ度に気持ちはげんなりと落ち込んだ。
料理って人を元気にしたり幸せにしたり。それこそ1日の疲れや嫌な事を吹き飛ばしてくれる物だって、母の手作り料理を食べながら教えてもらってきた。
その子供なのに、こうも不器用な私。料理をし始めて、改めて母の偉大さを実感した。
現実って厳しい…。
料理本を見ても上手くいかず手際も悪いから焦って調理器具や食器を落としたり、野菜を切ろうにも添えている手が滑って包丁で指は切るのは当たり前。
うん、絶対に任務より怪我してる。
「おいおい、傷だらけじゃあないか!一体どうしたんだっ。」
「あ…。えっと…これは…。」
「サラは綺麗な指をしているのに…ジョルノに看せていないのか?」
頭上から降ってきた声の主に驚いて顔を上げると、慌てて手を取り心底心配しているブチャラティが居た。
ああ…。今までバレない様に然り気無く手をポケットに入れたりと隠して来たのが、これで全部水の泡だ。
ジョルノに理由を言ったら絶対笑われちゃうよ…。しかもこんな理由で怪我したのに、スタンドで治してもらうなんて申し訳なさすぎる。
「大丈夫!絆創膏の数は多いけど、全然大した事ないの!」
「大した事ない?女の身体に傷が付いてるんだぜ?……誰がやったんだ。…………オレがソイツに消えない傷を作ってやる。」
「ブ、ブチャラティ違うの!」
「安心しろ。もちろん息の根も止める。」
彼は誰かも解らないターゲットへと殺意を抱き、鋭い目付きと雰囲気から今すぐにでも殺し兼ねない勢いだ。
顔怖い!!しかもすっごく誤解しちゃってる!!
恋人である彼の大好きな顔も、今は任務でも見せた事の無い程の形相にサラの背中に冷や汗が浮かぶ。顔がいいから余計に凄みが増すのだ。
「全部私が悪いの!!」
「何だと?……もしかして相手を庇ってるのか。」
「ちっがーう!!わ、私が料理が下手だからなの!!」
「……………は?」
もう頭の中では"誰かにやられた"って決めつけているせいで、何を言っても疑いが晴れないブチャラティには正直に言うしかないと声を荒げた。
そんなサラと台詞に驚いたのか、瞬きを数回した彼が気の抜ける様な声を漏らすものだから、恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がない。
だから言いたく無かったのに…。
女性が料理出来ないなんて恥ずかしい…。しかもそれを彼に知られるなんて、穴があったら入りたい程だ。
完璧な男、女性の憧れの的のブチャラティ。
そんな彼の恋人になれたのに、私ときたら見た目もパッとしないし身体も女性としたら貧相だし…せめて料理でもって思ったのに失敗ばっかり。
日本では"男は胃袋で掴め!"と言う言葉がある程だ。人気なブチャラティをどうやって繋ぎ止めたらいい?
何だか色んな感情が溢れだして、鼻の奥がツンと苦しくなり視界は涙で膜を覆った。
「何度やっても失敗しちゃうの…。私、私、ブチャラティの恋人失格かも…。」
「何でそうなるんだ。」
「だって…私には何もしてあげられないし……可愛くも綺麗でもないし。」
「それで?」
「大好きな人に美味しい料理も食べさせてあげられない女なの…。」
震えながら声と気持ちを絞り出す。ブチャラティはというとサラの手を握ったまま、目線を反らす事無くただただ聞いてくれている。
沈黙がやけに長く感じる。もしかしたら呆れてるのかもしれない。そんな不安が私を襲い彼の表情を確認するのが怖くて、俯いて木目調のテーブルを見つめ続けた。
すると指先に違和感を感じて顔を上げれば、指に巻いてある絆創膏が1枚、また1枚とブチャラティの手で剥がされているではないか。
「ブチャラティ?」
「随分と沢山作ったな。」
「や…見ないで。絆創膏外さないでよ…。」
「隠すなよ。オレはこの傷が愛しいんだぜ。」
「え?」
「どうして?」と問い掛け様と唇を開いたのと同時に、視界に指の傷1つ1つに唇を寄せキスを落とすブチャラティの姿が入るとサラの思考は停止した。なのにバクバクと心臓だけは激しく動き、唇が触れる度に花の蕾が開く様に熱が生じる。
「オレの為に出来た傷だろ?嫌いになる筈がない。」
「で、でも…。」
「それだけオレを想って料理を作ってくれてたなんてな。知ってたら食べに行ったぜ?」
「ま、不味いもん。」
「じゃあ、サラはオレが料理作ったら食べてくれないのか?」
「食べる!!」
「だろ?同じだぜ。」
頑なだったサラが急に即答するものだから、ブチャラティはクスッと笑みを溢すと指の間に自身の指を絡めて繋げば頬を寄せた。
愛しげに此方を見つめながら笑うのは反則だ。
もう…敵わないなぁ。
何だか悩んでいた事がとても小さな事に思えてきた。そっか…。大事なのは成功する事じゃなくて、気持ちなんだ。
「なあ、今日の仕事が終わったらオレの家で一緒に料理を作らないか?」
「……私、食器割っちゃうかもよ?」
「キミが怪我しないならいいさ。……それとも、サラはオレのエプロン姿に興味無いのか。残念だな。」
ブチャラティの申し出に少し躊躇するも、エプロン姿と聞き脳内には髪を1つに結い黒いエプロンを着ける姿が思い浮かんだ。
何それ絶対かっこいい!!
「み、見たい!!」
「サラなら言うと思った。」
勢い良く答えたものだから、クスクスと声を上げて笑うブチャラティを見るとサラにも漸く笑みが浮かぶ。ああ、思えば母も言ってたっけ。
「1番の隠し味は大好きって気持ちよ。」
2人一緒ならば、今日はとびきり美味しい料理が作れそうだ。
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