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56
「ーったく、てめーらよォ・・・」
凍りつきそうな冷たい空気の中に、不機嫌そうな声音が響く。
「たった一体の敵相手にこのザマかよ、情けねぇな・・・!」
おそるおそる目を開けたルナは、二人の男の姿に気づいた。ひとりは彼女を腕の中にかばい、もうひとりー、不機嫌声の主は、なぜか動きを止めた敵のスタンドの真正面に立っている。
ルナは、自分自身の身体を盾にするように敵との間に立ちはだかっている男を見上げ、息をのんだ。
「プロシュート・・・!?」
敵を睨みすえた彼の、その整った横顔の数センチ先で、敵のスタンドが、こちらに触手を伸ばした形状そのままに固まっていた。
ーー違う。
この冷気、、、固まってるんじゃあなくて、カチカチに凍ってる・・・?
プロシュートの腕がゆるみ、彼は、視線を敵スタンドからルナに移した。切れ長の鋭い瞳の奥に、ふっと柔らかな光が浮かぶ。
「・・・怪我はねぇか。」
ないわ!あなたの綺麗すぎるお顔のどアップのせいで、失神しそうだけれどもっ。
「ど、どうして・・・」
「ヴェネツィアで渡した鏡だ。あれはイルーゾォのスタンドにつながってる。」
ルナは目を見張った。
そういえば・・・ヴェネツィアで、プロシュートの殴られたような傷をスタンドで<元に戻した>後、持ってろって渡された鏡、、、
色ガラスの細工が綺麗なポケットサイズの丸い鏡を、私、亀の中のチェストの上に置いておいた。
プロシュートが現れた近くの座席シートの上を、モゾモゾ動いている亀の姿を視界の端にとらえて、ようやく合点がいく。
「鏡を使って移動できるの?すごい!未来から来たネコ型ロボットがポケットから出すドアみたーあわわっ!」
言い終わらないうちに、背後から身体を強くさらわれプロシュートから引きはがされてしまう。びっくりして後ろを振り仰ぐと、なぜか羽交い締めにしてくるスティッキィ・フィンガーズの姿が。
ん?別に支えてくれなくても、ひとりで立てるけど、、、
「フン・・・この程度でいちいち殺気立つんじゃあねぇよ、ブチャラティ。」
「バラバラにされなかっただけ感謝しろ。」
ルナの背後でスティッキィ・フィンガーズが消えると同時に、ブチャラティ自身の腕がやや強引に彼女を引き寄せた。
・・・な、なぜかしら、前だけでなく後ろからも冷気を感じるのは。
「おいテメーらッ!このオレをガン無視しやがって!オレに何か言うことはねぇのかぁ!!」
「え、眼鏡かえた?」
「この女、完全にケンカ売ってるよなァッ!?間違いねえよなあァッ!!」
「まあ、待て、ギアッチョ。それどころじゃあねえぜ。早いところソイツを始末しないとな・・・」
「すっげえ、、、外のエンジンを喰ってた奴まで凍ってるっ!!」
と、ナランチャが窓の外を見て叫ぶ。
「たりめーだ!オレのホワイト・アルバムはすべてを止められる!超低温の世界で動けるものは何もない!」
その言葉の通り、あんなにしぶとかった敵のスタンドが、今や完全に凍りつき、動きを止めている。
「なるほど〜。すごい能力ね。ありがとう。」
「・・・遅ぇッ!」
にっこり笑ったルナから、ギアッチョが顔を背けながら言い捨てた時、
「どうしますか、ブチャラティ。」
ジョルノが近づいて来て言った。
「奴に喰われた側のエンジンはもう駄目です。たしか飛行機は片方のエンジンだけでも飛べるように設計されているはずですが、片方の翼の上で奴が氷づけになったままでは、機体はバランスが保つのが難しいと思います。あなたのスタンドで奴を切り離せば、サルディニアまでならギリギリ飛べるかもしれませんが・・・」
「いや、その必要はない。このジェット機は墜落させよう。」
・・・なんですと?
「飛行機がサルディニアへの海上で墜落したということになれば、ボスの追っ手の方も俺たちの生死を確認しようがない。組織は俺たちの足取りを見失うことになる。すなわち、時間ができるのだ。ボスの正体を追跡し、探し出し出すための時間がな・・・!」
くらっ、、、
あ、やだ、眩暈が。
も〜、だからジョースターの家系の人と一緒の飛行機はイヤなのよ!墜ちるから!
それにブローノも、飛行機を墜落させようとか、どういう思考回路なのよ!?飛行機は墜とすんじゃなくて飛ばす方を選ぶわよっ、普通ならっ!
ルナの心の叫びなど知る由もなく、ブチャラティたちは、サルディニアまで何キロあたりだとか、パラシュートがどうとか、ボートがどうとか話し合っている。
そうだった。下は海なのよね、、、
ルナは盛大に溜め息をつくと、ブチャラティの服をつんつんと引っ張った。
「お話中、悪いんだけど、、、」
「?」
全員が不思議そうにルナに注目する。
「私、泳げないからね。」
2秒後。機内には、やかましいエンジン音をかき消す勢いで驚愕の声が響いていた。
「ーったく、てめーらよォ・・・」
凍りつきそうな冷たい空気の中に、不機嫌そうな声音が響く。
「たった一体の敵相手にこのザマかよ、情けねぇな・・・!」
おそるおそる目を開けたルナは、二人の男の姿に気づいた。ひとりは彼女を腕の中にかばい、もうひとりー、不機嫌声の主は、なぜか動きを止めた敵のスタンドの真正面に立っている。
ルナは、自分自身の身体を盾にするように敵との間に立ちはだかっている男を見上げ、息をのんだ。
「プロシュート・・・!?」
敵を睨みすえた彼の、その整った横顔の数センチ先で、敵のスタンドが、こちらに触手を伸ばした形状そのままに固まっていた。
ーー違う。
この冷気、、、固まってるんじゃあなくて、カチカチに凍ってる・・・?
プロシュートの腕がゆるみ、彼は、視線を敵スタンドからルナに移した。切れ長の鋭い瞳の奥に、ふっと柔らかな光が浮かぶ。
「・・・怪我はねぇか。」
ないわ!あなたの綺麗すぎるお顔のどアップのせいで、失神しそうだけれどもっ。
「ど、どうして・・・」
「ヴェネツィアで渡した鏡だ。あれはイルーゾォのスタンドにつながってる。」
ルナは目を見張った。
そういえば・・・ヴェネツィアで、プロシュートの殴られたような傷をスタンドで<元に戻した>後、持ってろって渡された鏡、、、
色ガラスの細工が綺麗なポケットサイズの丸い鏡を、私、亀の中のチェストの上に置いておいた。
プロシュートが現れた近くの座席シートの上を、モゾモゾ動いている亀の姿を視界の端にとらえて、ようやく合点がいく。
「鏡を使って移動できるの?すごい!未来から来たネコ型ロボットがポケットから出すドアみたーあわわっ!」
言い終わらないうちに、背後から身体を強くさらわれプロシュートから引きはがされてしまう。びっくりして後ろを振り仰ぐと、なぜか羽交い締めにしてくるスティッキィ・フィンガーズの姿が。
ん?別に支えてくれなくても、ひとりで立てるけど、、、
「フン・・・この程度でいちいち殺気立つんじゃあねぇよ、ブチャラティ。」
「バラバラにされなかっただけ感謝しろ。」
ルナの背後でスティッキィ・フィンガーズが消えると同時に、ブチャラティ自身の腕がやや強引に彼女を引き寄せた。
・・・な、なぜかしら、前だけでなく後ろからも冷気を感じるのは。
「おいテメーらッ!このオレをガン無視しやがって!オレに何か言うことはねぇのかぁ!!」
「え、眼鏡かえた?」
「この女、完全にケンカ売ってるよなァッ!?間違いねえよなあァッ!!」
「まあ、待て、ギアッチョ。それどころじゃあねえぜ。早いところソイツを始末しないとな・・・」
「すっげえ、、、外のエンジンを喰ってた奴まで凍ってるっ!!」
と、ナランチャが窓の外を見て叫ぶ。
「たりめーだ!オレのホワイト・アルバムはすべてを止められる!超低温の世界で動けるものは何もない!」
その言葉の通り、あんなにしぶとかった敵のスタンドが、今や完全に凍りつき、動きを止めている。
「なるほど〜。すごい能力ね。ありがとう。」
「・・・遅ぇッ!」
にっこり笑ったルナから、ギアッチョが顔を背けながら言い捨てた時、
「どうしますか、ブチャラティ。」
ジョルノが近づいて来て言った。
「奴に喰われた側のエンジンはもう駄目です。たしか飛行機は片方のエンジンだけでも飛べるように設計されているはずですが、片方の翼の上で奴が氷づけになったままでは、機体はバランスが保つのが難しいと思います。あなたのスタンドで奴を切り離せば、サルディニアまでならギリギリ飛べるかもしれませんが・・・」
「いや、その必要はない。このジェット機は墜落させよう。」
・・・なんですと?
「飛行機がサルディニアへの海上で墜落したということになれば、ボスの追っ手の方も俺たちの生死を確認しようがない。組織は俺たちの足取りを見失うことになる。すなわち、時間ができるのだ。ボスの正体を追跡し、探し出し出すための時間がな・・・!」
くらっ、、、
あ、やだ、眩暈が。
も〜、だからジョースターの家系の人と一緒の飛行機はイヤなのよ!墜ちるから!
それにブローノも、飛行機を墜落させようとか、どういう思考回路なのよ!?飛行機は墜とすんじゃなくて飛ばす方を選ぶわよっ、普通ならっ!
ルナの心の叫びなど知る由もなく、ブチャラティたちは、サルディニアまで何キロあたりだとか、パラシュートがどうとか、ボートがどうとか話し合っている。
そうだった。下は海なのよね、、、
ルナは盛大に溜め息をつくと、ブチャラティの服をつんつんと引っ張った。
「お話中、悪いんだけど、、、」
「?」
全員が不思議そうにルナに注目する。
「私、泳げないからね。」
2秒後。機内には、やかましいエンジン音をかき消す勢いで驚愕の声が響いていた。