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28
ミスタが、ブチャラティに助けられ、パッショーネに入団して約1年。ポルポ以外の幹部を見たのは、初めてだった。
「わざわざお越しいただき、ありがとうございます。」
「いやいや、ワシの方からこの島に来たいと言ったのじゃ。久しぶりじゃな、ブチャラティ。ーみんな、楽にしてくれ。」
ポルポとはまったく違う(そもそも奴はションベンもひとりで行けるかどうか怪しいデブだったが)、どこにでもいるような穏やかな雰囲気の老人。
しかしそのしわがれた声には、他人に命令することに慣れた人間がもつ、圧を感じる。
「早速じゃが・・・本当にあるんじゃろうな?組織に納める金、100億リラは。」
「はい。ここに。」
と、ブチャラティが手で示したのは、ミスタたちがさっきまでいた、公衆トイレだった。
「なんだって!?今、なんて言った!?」
「ここ、だってえ!?」
マジか!!どこにあるんだよ!?
ブチャラティはトイレに入ると、ナイロンの手袋を付けながら、一つの便器の前に立った。スティッキィ・フィンガーズが現れ、便器を殴る。
ザラザラッ、と、開いたジッパーの中から出て来たのはーーー宝石と札束の山。
「べ、便器の中にか!!」
アバッキオまで驚いて叫ぶ。
安全ちゃあ安全だが、ここで小便してた奴あ、罰あたりだぜ!!
ブチャラティが宝石と札束を手洗い台に乗せると、ペリーコロがルーペで鑑定した。
「うむ・・・本物だ。このネックレスひとつで、7、8億はくだらないじゃろう。」
ゴクリ、と、ミスタは唾をのんだ。
これだけの隠し金を作るってことは、ポルポが、相当悪どいことをやっていたってことだ。その金の管理を、単独で任されるなんて。
さすがだぜ、ブチャラティ。
「ブチャラティ、おまえがどうやってこの大金を手に入れたのか、訊くのはやめよう。組織としては、金を納めてもらえばそれで文句はないのだからな。」
ペリーコロは、金と宝石をカバンに詰めて外に出た。
「この金が示す事実は、」
言って、ブチャラティを見る。
「その者に、しかるべき頭脳と信頼があったという証。おめでとう、ブチャラティ。君を、幹部の地位に昇進させよう。」
「・・・や、やった・・・幹部だ。」
ナランチャが呆然と呟く。
「ついにブチャラティが、幹部になったぞ!!」
歓喜するメンバーとは対照的に、ブチャラティの表情には笑顔も興奮もない。いつもの、クールなポーカーフェイスのままだった。
「死んだポルポが仕切っていた縄張りの権利を、君が受け継ぐものとする。ネアポリス地区の賭博の運営権、高利貸しの支配権、港の密輸品の管理、ホテルやレストランの支配権などだ。あがりの50%が組織、残りの50%が、君の取り分とする。」
ーーすごいぞ・・・!
ミスタは興奮を抑えられなかった。
一気に権力が手に入った!!
ブチャラティの人望と頭脳があればー、莫大な金を産むことが可能だろう!
ちらり、と、少し離れたベンチの後ろ姿に目をやる。
ルナは、ひとりだけ、金を確認しにトイレへ入ることはなかった。そして、全員が出て来た時には、ベンチに座って背もたれで頬杖をつき、ぼんやりと海を眺めていたのだった。
ーールナが、俺たちの前に現れてから、何か、大きくコトが動き出した。
ジョルノの加入、ポルポの死、ブチャラティの昇進ーーー・・・
マジで運命の女神か、あいつ・・・!?
「ーさて。ブチャラティよ。」
ペリーコロは、低い声音で言った。
「呼んでくれ、彼女を。」
ミスタが、ブチャラティに助けられ、パッショーネに入団して約1年。ポルポ以外の幹部を見たのは、初めてだった。
「わざわざお越しいただき、ありがとうございます。」
「いやいや、ワシの方からこの島に来たいと言ったのじゃ。久しぶりじゃな、ブチャラティ。ーみんな、楽にしてくれ。」
ポルポとはまったく違う(そもそも奴はションベンもひとりで行けるかどうか怪しいデブだったが)、どこにでもいるような穏やかな雰囲気の老人。
しかしそのしわがれた声には、他人に命令することに慣れた人間がもつ、圧を感じる。
「早速じゃが・・・本当にあるんじゃろうな?組織に納める金、100億リラは。」
「はい。ここに。」
と、ブチャラティが手で示したのは、ミスタたちがさっきまでいた、公衆トイレだった。
「なんだって!?今、なんて言った!?」
「ここ、だってえ!?」
マジか!!どこにあるんだよ!?
ブチャラティはトイレに入ると、ナイロンの手袋を付けながら、一つの便器の前に立った。スティッキィ・フィンガーズが現れ、便器を殴る。
ザラザラッ、と、開いたジッパーの中から出て来たのはーーー宝石と札束の山。
「べ、便器の中にか!!」
アバッキオまで驚いて叫ぶ。
安全ちゃあ安全だが、ここで小便してた奴あ、罰あたりだぜ!!
ブチャラティが宝石と札束を手洗い台に乗せると、ペリーコロがルーペで鑑定した。
「うむ・・・本物だ。このネックレスひとつで、7、8億はくだらないじゃろう。」
ゴクリ、と、ミスタは唾をのんだ。
これだけの隠し金を作るってことは、ポルポが、相当悪どいことをやっていたってことだ。その金の管理を、単独で任されるなんて。
さすがだぜ、ブチャラティ。
「ブチャラティ、おまえがどうやってこの大金を手に入れたのか、訊くのはやめよう。組織としては、金を納めてもらえばそれで文句はないのだからな。」
ペリーコロは、金と宝石をカバンに詰めて外に出た。
「この金が示す事実は、」
言って、ブチャラティを見る。
「その者に、しかるべき頭脳と信頼があったという証。おめでとう、ブチャラティ。君を、幹部の地位に昇進させよう。」
「・・・や、やった・・・幹部だ。」
ナランチャが呆然と呟く。
「ついにブチャラティが、幹部になったぞ!!」
歓喜するメンバーとは対照的に、ブチャラティの表情には笑顔も興奮もない。いつもの、クールなポーカーフェイスのままだった。
「死んだポルポが仕切っていた縄張りの権利を、君が受け継ぐものとする。ネアポリス地区の賭博の運営権、高利貸しの支配権、港の密輸品の管理、ホテルやレストランの支配権などだ。あがりの50%が組織、残りの50%が、君の取り分とする。」
ーーすごいぞ・・・!
ミスタは興奮を抑えられなかった。
一気に権力が手に入った!!
ブチャラティの人望と頭脳があればー、莫大な金を産むことが可能だろう!
ちらり、と、少し離れたベンチの後ろ姿に目をやる。
ルナは、ひとりだけ、金を確認しにトイレへ入ることはなかった。そして、全員が出て来た時には、ベンチに座って背もたれで頬杖をつき、ぼんやりと海を眺めていたのだった。
ーールナが、俺たちの前に現れてから、何か、大きくコトが動き出した。
ジョルノの加入、ポルポの死、ブチャラティの昇進ーーー・・・
マジで運命の女神か、あいつ・・・!?
「ーさて。ブチャラティよ。」
ペリーコロは、低い声音で言った。
「呼んでくれ、彼女を。」